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異種材料を分子間力で薄膜接合、沖電気が初の量産化

» 2006年09月07日 21時20分 公開
[ITmedia]

 沖電気工業と沖データは9月7日、デバイス材料を薄膜化し、異なる種類の材料間で接合する「エピフィルムボンディング」技術を開発、世界で初めて実用レベルで量産化に成功したと発表した。5月に発売したプリンタに、同技術を活用して小型化したLEDヘッドを搭載した。

photo ドライバICに接合された薄膜LED

 従来のLEDヘッドでは、高解像度化で素子数が増加すると、LEDアレーと駆動ICとの接続パッド・接続ワイヤの密度が高くなり、高密度化に限界があった。

 新技術では、薄膜化した異種材料をそれぞれの分子間結合力で接合する。薄膜化したLEDアレーと駆動ICを分子間接合で一体化することで、ワイヤボンディングを使わずに通常のフォトリソグラフィーのみで集積が可能になり、小型・高集積化が可能になったとしている。

 沖データが発売したカラープリンタ「C3400n」で採用したヘッドは、新技術を活用することで体積を従来から半減できたという。

 今後、1200dpi以上の高解像度ヘッドの開発にも導入していくほか、集積回路への応用や、同技術による超小型LEDディスプレイなども研究していく。

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