Intelのデスクトップ事業担当ディレクター、スティーブ・スミス氏はIDFにおいて、「このアプローチはタイムリーに成果を実現すること、すなわち、Xeon 5300を搭載したコンピュータをユーザーにタイムリーに提供することを狙ったものだ」と語った。
スミス氏によると、このクアッドコアチップパッケージング方式には、チップを早期に投入できること以外にも、製造コストの削減など幾つかのメリットがあるという。
Intelにとって、2個のデュアルコアチップを結合して1つのパッケージにする方式は、4つのコアを1つのチップに統合したモノリシックなクアッドコアを製造するよりも高い歩留まりが得られる、とスミス氏は説明する。
これは、大型のチップは欠陥なしに製造するのが困難であるために、生産歩留まりが悪くなり、コストが上昇するからである。
「現行の65nm製造技術を使って2つの小型のデュアルコアチップを結合すれば、モノリシックなチップと比べて、1枚のウエハー(チップ製造のベースとなる12インチのシリコンディスク)に付き20%多くのクアッドコアチップを取ることができ、コストを10%削減できる」とスミス氏は話す。
しかしIntelのクアッドコア方式に批判的な人もいる。
テキサス州オースティンにあるAdvanced Micro Devices(AMD)のサーバ/ワークステーション部門のディレクター、パトリック・パトラ氏は、2007年上半期にリリース予定のAMD初のクアッドコアサーバチップ「Barcelona」の方がオンボードメモリ(キャッシュ)の利用効率に優れるため、より高いパフォーマンスを実現できるとしている。
パトラ氏は、Intelのクアッドコアサーバチップを「フランケンクアッド」と呼んでいる。人体のパーツを再利用して組み立てた怪物に例えているのだ。
「複数のプロセッサを1本のバスに載せるというソリューションでは、優れた効率が得られない。当社のネイティブデザインでは遅延が生じない」とパトラ氏は話す。
しかしIntelによると、2個のシングルコアPentium 4を結合したデュアルコアデスクトッププロセッサ「Pentium D 800」シリーズを数百万個出荷したことで、自社のアプローチの有効性は既に実証されたとしている。
Intelでは、このパッケージング方式を将来のチップでも広範に利用する考えだ。同社では、各種のクアッドコアデスクトップチップのリリースも予定しており、11月には「Core 2 Extreme」、そして来年第1四半期にはメインストリームのデスクトップ向けに「Core 2 Quad」を投入する。さらに、マルチプロセッサ(4ソケット)サーバ向けのクアッドコアチップ「Tigerton」を来年中にリリースする予定だ。
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