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携帯電話ネットワーク、2010年までには世界人口の90%をカバー

» 2006年10月18日 07時38分 公開
[ITmedia]

 2010年までには、世界全人口の90%に携帯通信ネットワークが行き届く――携帯通信事業者の業界団体GSM Association(GSMA)は10月17日、こんな予測を発表した。各国政府による資金配分を改善すれば、携帯ネットワークをより拡大できるとしている。

 通信手段が広く行きわたっていない国では、基本的な通信設備の導入・拡大のために、業者から一定の金額を徴収して基金を設立している国も多い。調査では、マレーシアやインド、ブラジルなど、92政府による「基金」の集金と使途の実態を調べた。これによると、92カ国のうち32カ国がこうした「基金」を設立しており、通信事業者の売り上げの1〜6%を徴収している。徴収金額は全体で60億ドルに上り、うち20億ドルが携帯通信事業者から徴収されているという。

 既に使途が決められているのは15億ドルだが、携帯通信ネットワークの拡大への割り当ては5%(7500万ドル)にすぎず、多くが固定電話ネットワーク拡大などに回っているという。GSMAでは、「世界銀行では、携帯ネットワークを提供するコストは、固定電話を1本引くコストの10分の1と試算している」とコメントした上で、まだ使途の決まっていない基金を携帯通信ネットワークの拡大に利用すれば、さらに4億5000万人にネットワークが届くと指摘している。

 また、ネットワーク拡大だけでなく、実際のサービスの利用を容易にする必要性も指摘。現在、世界人口の80%がネットワーク圏内にいながらも、そのうちの27億人はネットワークに接続できていないという。「携帯事業者がアクセス共有やコスト削減による端末・サービスの低価格化を進めても、規制による負荷が大きすぎる国が多い」とGSMA。携帯を対象とした税金や規則の見直しが必要では、と提案している。

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