現在猛威を振るっているマルウェア「ワースト10」(2006年11月時点)のうち、上位3種はWindows Vistaのセキュリティをくぐりぬけ、ユーザーのパソコンに感染する――英セキュリティ企業Sophosが11月29日、こう報告した。Vistaに感染可能なのはW32/Stratio-Zip、W32/Netsky-P、W32/MyDoom-Oで、この3種は現在出回っているマルウェア全体の39.7%を占める。
Sophosはワースト10のマルウェアをそれぞれVista上で試し、サードパーティーのセキュリティソフトを使わずに感染を回避できるかどうかを実験した。その結果、Outlook Expressの後継メールクライアント「Windowsメール」は、ワースト10のマルウェアをすべて識別、感染を防いだが、サードパーティー製のWebメールクライアントを使うと、W32/Stratio-Zip、W32/Netsky-P、W32/MyDoom-Oはセキュリティを通過してしまった。個人のメールアカウントへのアクセスを従業員に許可している職場や、別のメールクライアント採用を検討している企業の場合、これは深刻な問題となる。
Sophosは、Vistaではセキュリティ機能が向上しているものの、別途セキュリティソフトウェアを導入することが重要と指摘。さらに、今後はVistaをターゲットとしたマルウェアの登場が見込まれ、だが一部にVista対応が遅れているセキュリティベンターもあることから、ユーザーはそうした新たな脅威に現状のソリューションで十分な防御が可能かどうか慎重に考えるべきだと警告している。
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