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AppleとCisco、対立の原因は?

» 2007年01月11日 15時15分 公開
[ITmedia]

 「iPhone」の商標をめぐるAppleとの交渉が成立しなかったのは、金が問題ではない――Cisco幹部がAppleに対する商標侵害訴訟について説明した。

 Ciscoの上級副社長兼法務顧問マーク・チャンドラー氏は公式ブログで、同社が10日に起こした訴訟は、Appleのクールな携帯電話に反対するものではなく、ロイヤルティーに関するものでもなく、商標侵害訴訟であると強調している。

 同氏によると、Ciscoは2000年にInfogear買収を通じてiPhoneの商標を取得した。この商標は、iMacやiPodが登場する前の1996年に、Webアクセスと電話を組み合わせた製品を開発していたInfogearが登録したものだ。

 Appleは最初は2001年にiPhoneの商標に関してCiscoに打診してきたという。また過去1年間で何度か使用許可を求めてきたとチャンドラー氏は述べている。

 Ciscoは過去数週間、協業とiPhone商標の共用についてAppleと交渉してきた。合意は間近だったものの、Appleから実質的な連絡があったのは、iPhone発表の前日の8日午後8時以降だったという。

 チャンドラー氏は、両社が合意に至らなかった理由は、お金やロイヤルティー、Ciscoの製品やサービスとの交換ではなく、Ciscoのオープンなアプローチにあるとしている。CiscoはApple製品との相互運用性を実現することを望んでいた。またCiscoは、消費者を混乱させないように両社の製品を差別化することも求めていた。このオープン化と明確化が問題だったと同氏は述べている。

 「もしも誰かがiPodという名前の製品を発売して、違うビデオフォーマットを使っているから問題ないと主張したら、Appleはどう反応するだろうか?」とチャンドラー氏は問いかけ、Appleは自社の商標権を積極的に行使しているが、それは相互的(相手の権利も尊重する)でなくてはならないと主張している。

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