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NECエレ、55nmセルベースICの受注開始 40%省電力化

» 2007年01月18日 18時59分 公開
[ITmedia]

 NECエレクトロニクスは1月18日、55ナノメートルノードのセルベースICの開発を終了し、「CB-55L」として受注を始めたと発表した。同社の55ナノプロセス「UX7LS」で製品化し、90ナノノードの「CB-90M」から40%程度の省電力化が可能という。当面、駆動時間の長時間化が可能になるデジタルカメラなどの携帯機器に絞って受注獲得に力を入れていく。

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 セルベースICはASIC(特定用途向け半導体)の1種。で、半導体メーカーが用意するIPコアと、半導体メーカーのセルライブラリーを活用してユーザーが設計する独自回路を組み合わせるシステムLSI。FPGAより大規模な回路を多量に生産する場合に、セミカスタムチップとして使われる。

 2005年12月に発表した55ナノプロセス・UX7LSは、高誘電率の「High-k絶縁膜」を形成することでリーク電流を減らすなどし、45ナノ世代と同等のトランジスタ特性を実現する技術(関連記事参照)。CB-55Lは同プロセスで製造され、90ナノのCB-90Mからリーク電流を75%・消費電力を40%低減し、20%の高速化も同時に実現したという。

 1平方ミリメートル当たりのゲート数は92万5000ゲートに達し、集積度は従来比で2.3倍に向上した。最新のDFM(Design For Manufacturing)技術の導入で信頼性も確保したという。

 実際に採用されて最終製品として登場してくるのは「07年後半から08年になる」(井口広・第1システム事業本部長)。同社のセルベースIC事業は、2005年度で売上高750億円・シェア8%の規模。これを2010年度には1200億円・10%に引き上げたい考えだ。

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