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Appleの勝利に欠かせないMacの影響力(2/2 ページ)

» 2007年01月19日 16時57分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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 Macは次の年もさらに大きく伸びる余地があり、30〜35%の増加も見込めるとカリイシ氏。同社が2006年、主に音楽プレーヤーの販売によってもたらされた驚異的な成長を維持しようと努める中、Macの伸びが一助となって今年はAppleにとって極めて重要な年になると同氏は予想する。

 「Intel切り替えの効果はまだ完全には現れていない」(同氏)

 Appleの2007年第1四半期の純利益は約10億ドル(1株当たり1.14ドル)。1年前の純利益は5億6500万ドル(同65セント)だった。売上高は71億2000万ドルとなっている。

 Appleはまた、iPodの出荷が2100万台を超えたと発表した。

 Apple幹部の予想では、第2四半期の売上高は48億〜49億ドル、1株利益は54〜56セントを見込んでいる。Reutersの予想は売上高が52億ドル、1株利益は60セント。

 第1四半期のMac出荷台数は160万台となり、ウォール街が予想していた175万台を下回ったが、Adobe Systemsが今年デジタルイメージングソフトのPhotoshop CS3をリリースすればMacの販売にも弾みがつくだろうと、Merrill Lynchのアナリスト、リチャード・ファーマー氏は指摘する。

 「Macの業績がわれわれの予想以下だったことは認めるが、それでも成長率8%の市場に対して28%という伸び率は非常に堅調だとの見方は変わらない。新しいMacの導入と、この春に予定されているIntel Mac対応のAdobeクリエイティブスイート登場で、クリエイティブ・プロフェッショナル分野でこれまで抑えられていた潜在的需要が顕在化し、引き続き健全なペースが見込めると予想する」。ファーマー氏は1月18日の報告書でこう記した。

 マンスター氏もCS3によってMacの販売が伸びる可能性があるとの見方に同調する。アナリストの予想では、「Leopard」ことMac OS X 10.5のリリースも、Macの成長を支える一助になるかもしれない。

 American Technology Researchのアナリスト、ショウ・ウー氏は、iPhone、Apple TV、iPodを含む4方面戦略にMacが組み込まれ、AppleのデスクトップPCとノートPCがこの戦略の恩恵を受けると見ている。

 「今後の四半期では、Mac OS X Leopard、新作映画のパートナー、キャリアパートナー、コストを引き下げた携帯電話、中核技術を使った新事業分野への進出拡大など、複数の推進要因が見込まれる」(ウー氏)

 Appleの減速につながりかねない唯一の問題があるとすれば、過去のストックオプション付与をめぐる当局の調査がどの程度まで及び、どこかの時点でジョブズ氏が直接この影響を受けるかどうかだ(12月31日の記事参照)。

 「直接的な動きがない限り、(ストックオプション関連の調査で)日常業務に影響が出ることはないと思う」とカリイシ氏は話している。

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