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ソニー3Qは増収減益 「BRAVIA」「サイバーショット」好調

» 2007年01月30日 21時24分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ソニーが1月30日に発表した2006年第3四半期の連結決算は、売上高が2兆6077億円(前年同期比9.8%増)と、四半期ベースで過去最高を更新した。液晶テレビやデジタルカメラなどエレクトロニクス分野が増収に貢献した。営業利益は1789億円と前年同期比14.9%減で、プレイステーション3(PS3)立ち上げコストや金融分野の減益が響いた。

ソニーの株価チャートソニーの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 税引き前利益は同20.4%減の1798億円、純利益は同5.3%減の1599億円だった。

 エレクトロニクス分野は、売上高は同16.9%増の1兆8727億円、営業利益は同2倍の1774億円。利益額はデジタルカメラ、DVカメラ、液晶テレビ、システムLSI、イメージセンサーの順で多いという。同分野は来期に売上高営業利益率4%達成を目指していたが、今期中に達成する体制が整ったとしている。

 テレビ事業の売上高は同15%増の4250億円、営業利益は同170億円改善して130億円となった。液晶テレビ「BRAVIA」が特に米国で好調で、シェアは30%近くを占めたという。BRAVIAの国内販売は「シャープの攻勢などで予定より少しビハインドしている」(同社大根田伸行CFO)という。

 デジタルカメラ「サイバーショット」は全世界で好調だった。ただデジタル一眼レフ「α100」については、「ニコンやキヤノンが対抗機種を出してきて大変苦戦している。第2弾、第3弾で立ち向かっていく」(大根田CFO)とした。

 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、サイバーショット携帯やウォークマン携帯が売り上げに貢献。売上高は37億8200万ユーロ(同64%増)、税引き前利益は5億200万ユーロ(同2.4倍)とそれぞれと四半期ベースで過去最高を更新した。販売台数は同61%増で、市場シェアは3位につけたという。

 ゲーム分野はPS3発売で売上高が4428億円(前年同期比5.6%増)に伸びたが、PS3の「戦略的な価格設定」(同社)が損益を圧迫したほか、PSPハードが落ち込み、損益面では542億円の営業赤字(前年同期は678億円の営業利益)となった(関連記事参照)

 映画部門はDVDソフト販売が好調で増収増益、金融部門はソニー生命の減収により減収減益だった。ソニー・ミュージックエンタテインメントを含むその他部門は、CD売り上げ減などで減収減益。ソニーBMG・ミュージックエンタテインメントは、CD売り上げが減ったが音楽配信売り上げが拡大し、減収増益だった。

通期利益を上方修正

 エレクトロニクス分野やソニーエリクソンの好調、構造改革費用の削減などを受け、通期の業績見通しを上方修正する。

 営業利益は当初見通しの500億円から600億円に、税引き前利益は同700億円から800億円に、純利益は同800億円から1100億円に修正する。売上高は当初予想通り、8兆2300万円に据え置く。

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