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ニューヨーク州検事総長、Dellを提訴

» 2007年05月17日 12時53分 公開
[ITmedia]

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ検事総長は5月16日、Dellおよび、DellとCIT Bankの合弁企業でDellの顧客にファイナンスを提供するDell Financial Services(DFS)を相手取り、不当なビジネスを行ったとしてアルバニー郡の州地裁に提訴したことを明らかにした。

 検事総長は、DellとDFSが「おとり商法」で顧客をだまし、適切なカスタマーサービスを提供していないと主張。またテクニカルサポート、ファイナンスのプロモーション、リベートなど、数々の分野で虚偽を働いたと断じている。

 裁判所に提出された訴状によれば、Dellは保証期間やサービス契約に含まれているテクニカルサポートの提供を怠った。その内容としては「オンサイトのサービスを購入した顧客に、適切なオンサイトでの修理サービスを繰り返し提供しなかった」「顧客に対し、ハードウェアのカバーを外し、部品を入れ替えるよう強要した」「通話料金無料のテクニカルサポートに電話を掛けた消費者を、長く待たせ、繰り返し転送し、何度も電話を切るなどして、電話を掛けにくくした」「顧客のPC修理に中古部品を使用した」など。

 またDellは「無利息」「支払い不要」などの甘い言葉で顧客を取り込みながら、購入の際にはこうした好条件は「適用できない」と拒否。それどころか、20%以上の高金利のローンを提示していたとしている。

 訴状には、顧客が注文をキャンセル、または商品を返品したにもかかわらず、DFSが請求書発行を継続したり、不法な手口で請求活動を行っているとも記載されている。顧客が繰り返し間違いを訂正するよう連絡をとっても、DFSとDellは記録の訂正を行わなかったという。その結果回収業者にしつこく請求されたり、クレジットスコアに悪影響が出た消費者もいるという。

 クオモ検事総長はDellとDFSに対し、消費者に対する損害賠償の支払いおよび民事罰の罰金支払い、詐欺的行為を将来行わないための規制導入を求めている。

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