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DNP「秀英体」をデジタルフォント化 一般販売も計画

» 2007年07月02日 20時02分 公開
[ITmedia]

 大日本印刷は、同社の独自書体「秀英体」のデジタル化を始める。第1弾として本文用の明朝3書体のリニューアルなどを行い、2008年以降にはフォントの一般販売も計画し、デザイナーらがDTPソフトで秀英体を利用できるようになる。

 秀英体は同社が明治時代から開発を続けてきた書体で、「築地体」とともに明朝体を代表。多くの書籍などに使われている。

 昨年10月に同社が創業130周年を迎えたのを機に、「平成の大改刻」としてデジタル化に着手。「秀英細明朝」「秀英中明朝」「秀英太明朝」の3書体をリニューアルする。従来の製版フィルム用では、フィルム複製の段階で文字が太るため、あえて細身に設計していた。デジタル製版では文字の太りがないため、その分太くデザインし直す。3書体間での字形の整合を図るほか、縦組み・横組みでもバランスが良くなるよう、デザインも改良する。

 細明朝(約2万文字)は今年末、中明朝(同)は09年春、太明朝(同)は08年秋にそれぞれ開発を終了する予定。

 また見出し用の金属活字「秀英初号明朝」もデジタル化する。昭和4年(1929年)の見本帳に基づき、新字体に変更するなどした上で、手彫り活字が備えていた繊細な味わいや特徴を忠実に再現するという。約9000文字を08年秋までに開発する予定。

 08年以降、ゴシック体や高精細ディスプレイ表示用書体、携帯端末向け軽量フォント、ユニバーサルデザイン対応書体を開発していく。

 取り組みは5〜8日に開かれる「東京国際ブックフェア」(東京ビッグサイト)のDNPブースで紹介する。

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