「ゴー」という効果音とともに、崩れるデパートのイラストが揺れる。閉じ込められたブラックジャックのイラストが大写しになり、「はあはあ」という息づかいも聞こえてくる――これはアニメではないが、漫画でもない。漫画に声や効果音、動きをつけた「モーションマガジン」(Mマガジン)だ。
Mマガジンは、Windows Media Playerか携帯電話で再生できる動画コンテンツ。「漫画とアニメの中間。アニメよりも原作の世界観を忠実に再現できる」という。
アルファシステムズが開発した専用ビューアでも閲覧でき、東京国際ブックフェア(8日まで)のアルファシステムズブースで展示されている。
ブラックジャックのMマガジンは、手塚治虫生誕80周年を記念して作成された「手塚治虫Mマガジン」のコンテンツの1つ。アニメでは約20分ある1つのエピソードを5分ほどに短縮して気軽に見られるようにし、音声は独自にアフレコして収録。せりふはアニメや漫画よりも大幅に削減しているが、制作スタッフや声優もアニメ版と同じだ。
アルファシステムズの閲覧ソフトは、テレビ型の赤いビューアでMマガジンが再生される。作品の選択から購入、視聴までビューア上で可能だ。
Windows Media Playerで再生できるMマガジンは、ISPの動画配信サイトなどで有料配信しているが、「たくさんあるコンテンツの中から選ぶのは大変。専用ビューアならすぐにコンテンツに行き着く」(説明員)。ビューワーにCMを流すことも検討しているといい、「今後テレビの代わりにもなると思う」と期待する。
現在はβ公開中で、8月31日までブラックジャック「閉ざされた三人」が無料で視聴できるほか、「どろろ」「火の鳥」のMマガジンも一部、無料配信中だ。本サービスは9月からで、価格は1エピソード当たり105円。
携帯電話向けアプリも開発し、視聴用IDをトレーディングカードで配布する仕組みも作った。アプリをインストールした携帯で、カードに書かれた2次元バーコードを読み取れば視聴できる。カードはおもちゃのおまけとして同封したり、コンビニなどで販売する――といったことも検討している。
世界配信も考えているという。「海外では日本のアニメが放送された後、原作の漫画が注目されるという流れがある。アニメと漫画をつなぐ新しいコンンツになるのでは」(説明員)
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