auブランドをPCにも――KDDIは7月30日、au携帯向け「EZweb」と、携帯・PC両対応の「DUOGATE」、ISP「DION」の3つのポータルを1つに統合し、携帯・PC両対応の新ポータル「au one」を9月下旬に開設すると発表した。GoogleのGmailシステムを活用した容量2GバイトのWebメールサービス「au oneメール」も、auユーザー向けに同時期に開始する。DIONは「au one net」に改名する。
「ネットの主流が携帯になってきている。auとユーザーのタッチポイントを拡大していきたい」――KDDIコンシューマ事業統括本部の高橋誠本部長は言う。携帯電話など移動端末からのネット利用者が、PCからのネット利用者を逆転(関連記事参照)するなど、ネット端末としての携帯の存在感が高まっている。
同社はPC向けサイトもauブランドで展開し、高容量のWebメールも無料提供することで、auユーザーのロイヤリティーを高めつつ、PCユーザーにもauを訴求していく。「auは、携帯だけでなくネットの世界を楽しくしていく」(高橋本部長)
au oneは、携帯・PC両対応のポータルサイト。画面左上にリモコンのボタンのように数字を並べ、クリックすれば「音楽」「ゲーム」「オークション」など各カテゴリーのページを表示するなど直感的に利用できるよう工夫した。
検索サービス「au oneキーワード」機能も備える。音楽、ゲーム、ブログ、ニュースなどau oneのコンテンツを横断検索できるほか、「Wikipedia」も検索できるようにする。
au oneメールは、EZwebへのGoogle検索採用に続く、GoogleとKDDIの連携サービス第2弾。auの1X WIN端末ユーザー専用で、申し込めば、既存の携帯メールアドレスに加え、もう1つのメールアドレス「**@auone.jp」を無料で取得して利用できる。
2Gバイトの容量を利用でき、携帯、PC両対応。検索やスパムフィルター機能が付くなど機能やインタフェースはGoogleのGmailとほぼ同じだ。ユーザーIDなどの管理はKDDIが、サーバ管理はGoogleが担当する。
「過去のメールを保存しておきたいからと、使わなくなった携帯を持ち続けるユーザーが多いため、携帯のリサイクルが進まないというような話も聞く。au oneメールのコンセプトは『ずっとずっと使える100年メール』。200文字程度のメールを毎日20通送受信しても、約100年分を保存できる」(高橋本部長)
将来は、携帯アドレスに届いたメールをau oneメールに自動転送するサービスや、待ち受け画面で受信を通知する機能などを追加する計画。絵文字の送受信も可能にしていく予定だ。ユーザーインタフェースも改良し、シニア層にも使いやすいサービスにしたいとしている。
「ドコモの『2in1』(1つの端末で2つのメールアドレス、2つの番号を利用できるサービス)など他社のメールサービスよりも上をいくサービスを提供することで、収益につなげたい」(高橋本部長)
グーグルの村上憲郎社長は「日本のモバイル市場はとても先進的。昨年EZwebにGoogleの検索エンジンを提供したが、当初の想像を超えるような水準で利用されている。引き続きKDDIと先進的なサービスを提供していけることは、Google全体としてもうれしく思う」と述べた。
Googleのパートナープロダクトディレクターのダン・スティッケル氏も「世界中が日本の携帯市場に注目している。携帯で添付ファイルが表示できたり、長文メールにアクセスできるなど、Gmailの特徴をau oneメールでも提供したい」と意気込みを語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR