鼻歌検索「midomi」日本版公開 携帯版も年内に
鼻歌を吹き込むと、その歌の曲名や歌手名を教えてくれる米Melodis Corporationのサービス「midomi」日本語版が、8月10日に公開される。メロディや歌詞は思い出せるけど曲名がどうしても思い出せない――そんな状況を助けてくれる上、世界の“鼻歌アーティスト”にも出会える(関連記事参照)。
「カラオケなど歌の文化が発達し、携帯電話の機能が先進的な日本は、当社にとって重要な市場」――来日した同社のケイヴァン・モハジャーCEOはこう話し、PC版だけでなく携帯版も年内に始めたいとする考えを明かした。
音が外れてても、詞が分からなくても判別
midomiは、PCに接続したマイクから鼻歌を吹き込めば、曲名や歌手名とひも付けた“鼻歌データベース”と照合。数秒で曲名や歌手名を探し出し、同じ歌を歌った人の鼻歌も聴ける、というサービスだ。
人の声に特化した独自の音声認識エンジン「MARS」(Multimedia Adaptive Recognition System)を活用した。鼻歌データ同士をマッチングし、メロディーや、歌詞(音声を解析しているため言語に依存しない)、音程、リズムの特徴、息継ぎのタイミングなど、複数の要素を組み合わせて検索する。
音源の性質によって、検索時にどの要素を重視するかを自動判別する。例えばハミングなら詞は無視してメロディーを優先、ラップならメロディーは無視してテンポと詞をマッチングする――といった具合だ。
メロディーが同じで詞が異なる曲(きらきら星とABCの歌など)も別の曲として判別できるほか、キーがずれていたり、歌詞の一部を間違っても高精度に検索できるという。同社が30人にランダムに1000曲検索してもらったところ、データベースにある曲ならほぼ100%正確な結果を得られたという。
鼻歌データベース、1日1000~3000曲増加
検索対象となる“鼻歌データベース”は、ユーザーが作るのが特徴。誰かに歌を聴いてほしいと思っている“鼻歌アーティスト”が、PCマイクに向かって好きな曲を歌い、曲名と歌手名を付けて登録してもらうことで、データベースが充実していく。
英語版(日本語表示にも対応)は今年1月末にスタートし、フランス語、中国語、イタリア語版もリリース済み。鼻歌はすでに10万曲分が登録されており、うち1万曲が日本語の曲という。6月15日~7月15日のユニークユーザー(UU)数は100万で、UUの20%が2週間以内に再アクセスしているという。
登録すれば誰でも鼻歌アーティストになれる。SNS機能を備え、鼻歌アーティストとリンクして“最新鼻歌情報”を受け取ったり、歌声を評価したり、掲示板にコメントを残すといったコミュニケーションが可能だ。「鼻歌アーティストの才能を見い出して応援できる。American Idol(米国の新人歌手発掘オーディション番組)の国際版だ」
携帯向けも年内に
「日本人は新技術に関心が高く、携帯電話や携帯音楽プレーヤーなども普及している。カラオケなどで歌の文化も発達している」――モハジャーCEOは、日本の文化はmidomiと親和性が高いとし、まずは日本市場を攻略。その後他国のビジネスも本格化する。
日本語版サイトは、日本語表示に対応したほか、日本音楽著作権協会(JASRAC)から、ユーザーが演奏した楽曲をストリーミング配信するための許諾を受けて運営する。アーティスト情報などのメタデータは、リッスンジャパンのデータベースを活用する。
楽曲検索結果には、Amazon.co.jpとリッスンジャパンへのアフィリエイトリンクを張り、CDやデータを購入したり、検索した楽曲を試聴できるようにした。
日本語の鼻歌データベースは、1カ月で5万曲まで増やしたい考えだ。年内にも携帯電話向けサービスを始める計画。「日本人は、米国人などよりも携帯電話をよく使っている」ため、携帯サービスは日本を皮切りに、順次他国にも広げていく。
年内には黒字化
同社は2005年9月、モハジャーCEOらスタンフォード大学の卒業生4人で設立。大学のビジネスコンテストで優勝したアイデアをビジネス化した。ビジネスモデルは、サイトからの広告収入やアフィリエイト収入といったBtoCと、検索エンジンのライセンス販売によるBtoBの二本立てだ。
BtoCは、AmazonなどCD販売と、リッスンジャパンなどデジタルコンテンツ販売に加え、コンサートチケット販売サイトへの誘導なども行いたい考え。BtoCは、米国では携帯音楽プレーヤーメーカーなど向けに展開しているという。「BtoB収入が主力になるだろうが、BtoCにも期待している。年内には黒字化する見込みだ」
まずは米国、日本でビジネスを成功させ、世界のビジネスを本格化。今後は韓国語版、ポルトガル語版も出していく計画だ。「言語や音楽のジャンルを超え、世界で最も多く楽曲が集まる“音楽のWikipedia”にしたい」
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