東芝は9月6日、HDDの記録密度を1.5倍に高められる「ディスクリートトラックレコーディング」(DTR)技術を開発し、世界で初めて、1.8インチディスク1枚で120GバイトのHDD試作に成功したと発表した。1.8インチディスクの最大容量は従来80Gバイトだった。
同技術を採用したHDDは、2009年中の量産化を目指して開発を進める。
DTRは、垂直磁気記録方式を採用したディスク上でトラックの間に溝を形成し、隣接するトラックの相互干渉を低減して記録密度を上げる技術。トラックピッチを大幅に狭めながら信号品質を高めることができるという。小型メディアに容易に適用でき、1.8インチや2.5インチなど小型HDDの大容量化につながるとしている。
試作した容量120Gバイトの1.8インチHDDは、面記録密度が516Mビット/平方ミリメートルと従来の1.5倍。ヘッドの位置を決めるための基準信号「サーボパターン」もディスク上に形成した。
開発に使用した電子ビーム露光装置には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の国家プロジェクト「ナノメータ制御光ディスクシステム」の成果が活用されている。
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