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内紛続くアイピーモバイル 「免許返上はない」が……

» 2007年09月28日 20時26分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 アイピーモバイルの竹内一斉社長

 2GHz帯免許の交付を受けて携帯電話事業への新規参入を目指すアイピーモバイルは9月28日、筆頭株主・森トラストから、社長を含む現取締役4人を解任し、新経営陣を選任するための臨時株主総会の招集請求を受け取ったと発表した。

 経営をめぐって混乱が続く同社だが、同日会見した竹内一斉社長は2GHz帯免許について「返上しない」と明言。「どういう立場にいようが事業を立ち上げたい気持ちは変わらない」とし、社長退任後もサービス開始を目指していくとした。

 同社は、ソフトバンク、イー・アクセスとともに2005年11月、2GHz帯の免許を取得し、TD-CDMA方式での携帯事業参入を目指してきた。ソフトバンク、イー・アクセスはすでに参入済みだが、同社のみ資金難で未参入。期限の11月9日までにサービス開始できない場合は、免許を返上することになる。

 同社は今年4月以降、筆頭株主がめまぐるしく変わるなど経営の混乱が続いた影響もあり、基地局の整備などが進んでおらず、11月までのサービス開始は極めて難しい状況だ。

 臨時株主総会の招集請求は、竹内社長らと対立する杉村五男会長の要請で、森トラストを通じて出された。会長が筆頭株主を通じ、残りの経営陣解任に向けた株主総会開催を求める――という異常事態に陥った。

 会見では記者から「事業化のめどが立たないなら免許を返上すべきでは」という質問も出た。竹内社長は「いい加減な気持ちで事業化を進めているわけではない。どんな方法を使っても携帯電話事業への参入が無理だと分かった時は自ら免許を返上しなければならないと思うが、今はまだ事業化への道が残されている」と話し、現時点で免許を返上する意思がないことを強調した。

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