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HDD容量を5倍に 新GMRヘッド基本技術、日立が開発

» 2007年10月16日 17時54分 公開
[ITmedia]

 日立製作所と日立グローバルストレージテクノロジーズはこのほど、HDDの記録密度を現行製品の5倍に当たる1Tビット/平方インチ級に高める磁気ヘッドの基本技術を開発したと発表した。3.5インチディスク1枚でも1Tバイトを超える大容量HDDの実現につなげる。

 現在の大容量HDDは、垂直磁気記録方式とTMR(Tunneling Magneto-Resistive、トンネル磁気抵抗)ヘッドを組み合わせている。さらに大容量化するにはTMRヘッドを微細化する必要があるが、微細化でヘッド素子の抵抗値が増大し、ノイズが増えてしまう問題があり、500Gビット/平方インチ超には適用できないという懸念があった。

 新技術では、TMR以前に使われていたGMR(Giant Magneto-Resistive、巨大磁気抵抗)方式の1つ、CPP(Current Perpendicular to Plane)-GMR方式を採用した。同技術はGMR素子の幕面に対し垂直に電流を流し、微小な信号を読み取る方式で、微細化に適しているとされるが、TMR素子に比べ磁気抵抗変化率が小さい=読み出す信号の出力が小さいのが課題だった。

 新技術では新たなCPP-GMR膜構造を開発し、信号出力を3〜4倍向上させた。またS/N比を高め、2.5インチHDD・50ナノメートル幅の磁気ヘッドで世界最高の40デシベルというS/N比を達成し、最小幅となる30ナノメートル幅でも30デシベルを確認。微細化技術と組み合わせることで、1Tビット/平方インチ級のHDDが可能になるとしている。

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