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世界PC市場、過去2年で最高の伸び

» 2007年10月18日 10時25分 公開
[ITmedia]

 2007年第3四半期のPC出荷は、ポータブルPCやEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域などが好調だったことから、前年同期比で約15%拡大した。米調査会社IDCとGartnerが報告した。

 IDCの調査では、同四半期の世界PC出荷台数は前年同期から15.5%増加した。特にEMEA地域でのポータブルPC需要が大きく伸びたと同社は説明している。またどの地域でも、新学期商戦向けのプロモーションにより、コンシューマーおよび中小企業からの需要が旺盛だったという。ユーロ高とEMEA地域への投資増がそのトレンドを加速させ、2005年末以来、最高の成長率になったとしている。

 ベンダー別では、HPが前期から引き続き世界PC市場を征した。2四半期連続で前年同期から30%以上出荷台数を伸ばし、シェアは前年同期の17%から19.6%に上昇した。2位のDellは、前年同期の16.9%から15.2%へとシェアを落とした。出荷台数の伸びは3.8%だった。以下、Lenovo(シェア8.2%)、Acer(8.1%)、東芝(4.4%)と続く。AcerはGateway買収により、今後Lenovoを抜いて第3位に入る見込みだ。

 地域別では、米国ではデスクトップPCの出荷が減少する一方で、ポータブルPCが伸び続けているが、前四半期ほどの成長ペースではなかった。EMEA地域では新学期商戦と中小企業向けが成長要因となり、HPとAcerが市場をリードした。日本は依然、出荷台数の成長率はマイナスだが、過去数四半期と比べ改善したという。日本を除くアジア太平洋地域も好調で、ポータブルPCの出荷台数が前年同期比で60%近く増えた。

 Gartnerの調査では、第3四半期の世界PC出荷台数は6850万台で、前年同期から14.4%伸びた。アジア太平洋地域とEMEA地域が好調で、セグメント別ではコンシューマーPCが依然として成長をけん引、また成熟市場では新学期商戦も大きな成長要因になったという。

 ベンダー別では、HPが5四半期連続で1位の座を維持、出荷台数を33%伸ばし、18.8%のシェアを獲得した。2位のDellはシェアを1.5ポイント落として14.4%としたものの、4四半期ぶりに出荷台数が増加した。

 Gartnerの調査では、Acer(シェア8.1%)がLenovo(8%)を抜いて3位に入った。出荷台数は58%拡大しており、Gateway買収で今後さらにLenovoに差をつけるとみられる。5位は東芝でシェアは4.4%。

 地域別では、アジア太平洋地域で出荷台数が前年同期比で23.4%伸びて1870万台を記録した。中国とインドが特に好調だった。EMEA地域は16.4%増の2210万台で、新学期商戦が成長要因になった。米国は4.7%の伸びにとどまった。モバイルPCが伸び続けており、初めてデスクトップPCの出荷台数を超えたという。日本は1.5%減の340万台、法人向けが3%減少したものの、家庭向けは1%伸びた。

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