電子情報技術産業協会(JEITA)が10月25日に発表した2007年度上半期(4〜9月)の国内PC出荷実績調査で、PCの価格下落に歯止めがかかってきたことが分かった。Windows Vista搭載の上位機などが単価を押し上げた。
出荷台数は436万2000台(第1四半期が207万3000台、第2四半期が228万9000台)で、うち63.5%がノート型だった。出荷金額は5369億円(第1四半期が2630億円、第2四半期が2739億円)。
月別の推移では、コンシューマー向け秋冬モデルが発売された9月が出荷台数・金額ともに最も多く、出荷台数は59万8000台、出荷金額は1121億円だった。
月別の出荷単価は5月が最も高く12万8000円。その後ゆるやかに下落し、9月は11万8000円だった。第2四半期だけで見ると前年同期比と同じ12万円で、「ここ1年半の動きでは下げ止まっている」(JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会の小林一司委員長)という。
コンシューマー市場は、上半期にVistaモデルが出そろって需要が回復したほか、ノートPCが好調。売れ筋は上位機にシフトしているという。ビジネス市場は伸び悩んだ。Vistaへのシフトを前提として高性能モデルへの需要が高まり、単価下落に歯止めがかかったが、大企業での需要が停滞気味だった。
地上デジタル放送対応モデルの出荷台数は第1四半期が87万9000台(そのうちワンセグ対応モデルは11万4000台)、第2四半期が97万4000台(同13万6000台)。
地デジモデルのうちワンセグが占める割合は、第2四半期は14%。前年度同期から6ポイント増えた。「コンシューマー市場でノート型の比率が上がっていることや、昨年12月以降ワンセグの視聴可能エリアが拡大し、ワンセグ対応モデルが増えたことで、ワンセグ比率が上がった」
下半期のコンシューマー市場は順調に拡大するとの見通し。売れ筋は上位機にシフトしているといい、下半期も上位機へのニーズが高まるほか、Vista搭載モデルがさらに浸透する見通しだ。2台目需要も拡大すると見ており、団塊世代や就職活動中の学生などが新たに購入すると見込む。
ビジネス市場では設備投資意欲が堅調で、PC需要も回復へ向かうと予想。Vista搭載モデルについては検証段階から導入段階へ移るほか、個人認証やシンクライアントなど、セキュリティを強化した端末へのニーズが高まるとの見通しを示した。
07年度の調査から、デル、日本ヒューレット・パッカード(HP)、東芝パソコンシステムの3社が統計から抜けて調査対象企業は13社になったため、出荷台数や金額の前年比較はしなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR