GoogleとYahoo!、WebメールをSNS化へ(2/2 ページ)
GmailとYahoo! Mailはいずれも数億人のユーザーを抱えているため、Webメールをソーシャルネットワーキングツールと融合させるという案は両社にとって食指が動くものに違いない。こうしたハイブリッドプラットフォームは両社が法人分野でLotus Connectionsに対抗する上で役立つだろうが、FacebookとMySpaceに挑み、SNS広告を獲得する力を新たに強化することもできるだろう。
魅力的で価値ある提案ではあるが、課題がないわけではない。SNSの利用者とは違って、電子メール利用者は個人の情報を表示することに慣れていない。企業がユーザーの電子メールボックス、アドレス帳、プロファイルをほかのユーザーに見えるようにするのは大仕事になるかもしれない。
さらに、こうしたハイブリッドプラットフォームは金融サービス企業では倫理的な壁にぶつかる可能性がある。この種の企業では従来、ブローカーとアナリストが共同で作業することは認められていない。
IBM Lotusのソーシャルソフト責任者ジェフ・シック氏以上に、それをよく知っている人はいないだろう。人々は電子メールからソーシャルデータを掘り出そうとする行為には非常に敏感なので、どんなソーシャルソフトでもその機能を制限あるいは無効化する方法を備えていなくてはならないと、シック氏は20日にeWEEKに語った。
しかし、この機能を無効化すれば、特にほかに情報を集めるソーシャルソフトサービスがない場合、ネットワーク内のソーシャルデータの量が減る可能性がある。Lotus Connectionsは多様な利用パターンに合わせて、ソーシャルデータを集める5種類のサービスを備えている。
Burton Groupのマイク・ゴッタ氏は、電子メールデータを共有したくないユーザーに嫌がられないよう、GoogleとYahoo!はこのようなシステムをオプトイン(事前に承諾を得る形式)として提供しなければならないだろうと指摘する。
しかし、オプトインしたユーザーでも、ある程度共有するものをコントロールしたいと思うだろう。企業は、ユーザーがヘッダ情報――送信先、送信元、cc、件名――だけを共有するのか、ほかのユーザーにメール本文まで見せるのか決められる機構を用意する必要がある。
「プライバシーという罠に足を踏み入れることになる」とゴッタ氏はeWEEKに語った。「慎重にならなければならない。スパイダーマンに出てくるセリフ『大きな力には大きな責任が伴う』と同じだ」
シック氏は、顧客はさまざまなアプリケーションからソーシャルデータにアクセスしたいと考えているとし、IBMはユーザーが電子メールクライアント、インスタントメッセージング(IM)クライアント、ワープロ、ポータル、RSSリーダーなどのソースからLotus Connectionsのデータにアクセスできるようにしていると述べた。
GoogleとYahoo!は電子メールネットワークで多くのテストを行い、オープン性とプライバシー面でのユーザー満足とのバランスを取らなくてはならないだろう。
ボック氏は、MicrosoftのOutlookとExchange、IBMのLotus Notesという2大メッセージングアプリケーションのせいで、社内メッセージングは「時間が止まっている」と語る。業界はプライバシー、セキュリティ、組織の境界線、文脈に関連する機能にもっと取り組まなければならないと同氏は結論づけている。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性“PoCフライング公開”の経緯、支援財団が公表 混乱広げた企業を名指しで批判
-
2
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
3
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
4
人に注射を打てる「サイボーグゴキブリ」の群れが、がれき下の被災者を救助? 実験成功率72%
-
5
カプコン、1177万件漏えい 不正アクセスで
-
6
高市総理、サイバーセキュリティの本を出していた しかも“PHP”から
-
7
「GitLab」に深刻度“最大”の脆弱性 認証なしで任意のコード実行の恐れ、修正版適用を CVSS「10.0」
-
8
旅行ゲーム「ワールドクエスト」、PHP脆弱性で即日サービス終了 「古い仕組みのため対策とれず」
-
9
認証局eMudhra、SSL/TLS証明書事業から撤退へ 秘密鍵問題受け──既存顧客の証明書は無償で置き換え
-
10
トランプ大統領、Googleに「大西洋」の改名を打診 ピチャイCEOが「大洋は勘弁を」と難色
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR