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ブラックフライデーにサイト遅延で小売り大手に打撃

» 2007年11月26日 17時23分 公開
[Evan Schuman,eWEEK]
eWEEK

 感謝祭の晩から翌日金曜の終日にわたって、米大手小売り企業がeコマースのトラフィック急増による不意打ちを食らった。特にホームセンター大手の米Lowe's、百貨店大手のMacy's、ランジェリーブランドのVictoria's Secretは大きな打撃を受けた。

 だがこの3社だけが例外なのではなく、大手小売企業のおよそ3分の1がブラックフライデーにかなりの遅延に見舞われたことが、Webサイトのパフォーマンス追跡企業、米Keynote Competitive Researchの先週末の統計で明らかになった。

 多くの小売企業がブラックフライデーに黒字転換することを期待していたが、サイトの遅延のほとんどが購入手続き段階で起きているため、救済効果がかなり抑えられてしまった可能性がある。

 Keynoteの外部調査担当ディレクター、ショーン・ホワイト氏は、この遅延は「商品検索とレジ手続きのプロセスに影響を与えた。恐らくオンライン売り上げに影響するだろう」と語った。

 Keynoteの調べでは、「ブラックフライデーに最もパフォーマンスが悪かったサイトでは400%の遅延があり」、ホワイト氏によるとこうした遅延は「顧客による商品検索やレジ手続きの中止につながる」という。

 例えば、Macy'sでは通常マウスをクリックしてから12秒後には反応があるが、これが15〜20秒にまで落ちた。「だがこの遅延はMacy'sのサイトのホームページで起きたのではなく、(サイトの訪問者が)サイト内を検索している時に起きた」(ホワイト氏)

 Lowe'sも大打撃を受けた1社で、およそ「300%のパフォーマンス遅延が生じた」とホワイト氏。サイトのパフォーマンスは「100%(迅速)だったのが、20〜30%程度になってしまった」。

 OfficeDepotのレスポンスは通常で10秒のところ25秒になった。Buy.comとBordersも大きな遅延に見舞われているとホワイト氏は言う。

 同氏によると、全般にサイトのトップページのパフォーマンスは悪くないが、購買プロセスの、主に商品紹介ページから検索やレジのページに移動する段階で遅延が生じるという。これはサイトの処理が別のサーバ(または、よくあることだがまったく別のサイト)に移る段階だ。

 確かにパフォーマンス低下は小売りサイトだけのせいとは言えない。だがホワイト氏は、大手小売企業は「サービス提供業者(や)パートナーに対して」システムを最適化するようプレッシャーを掛けることができるはずだし、するべきだと言う。同氏は、サービスレベル契約(SLA)には祝日などトラフィックの増加が予想される時期のレスポンスタイムの保証も含めるべきだと付け加えた。

 サイトの遅延は、完全なサイト停止よりもいらいらするものになる。安定した(またはしばしば急上昇する)売り上げが、問題を分かりにくくするからだ。遅延が起きた企業の幹部は、遅延が起きていなければあとどのくらいもうかったのかが結局分からないままになる。

 サイトでマウスクリックしたとき、どのくらいの間隔で反応があると遅過ぎると感じるだろうか? それは買い物客とその我慢強さによる。ホワイト氏は有名な「8秒ルール」に言及したが、買い物客がどの程度我慢してくれるかについては多くのファクターが関係してくるとした。

 顧客は、例えば銀行の口座残高のような代替できない情報や商品については長く待とうとする。

 本当に見たいと思う画像を掲載しているグラフィック中心のサイトの場合も、コンシューマーは通常より忍耐強くなる。例えばVictoria's Secretは感謝祭当日の夜に非常に遅くなった――レスポンスが通常の5秒から15秒になった――が、ホワイト氏の推測では、このサイトの顧客は画像を見たいと思っており、表示されるまで待つ価値があると考えているために、より遅れに寛大だったという。

 2007年の小売市場の売上高伸び率は、ドットコムバブル崩壊期の数年間の中で最低を記録した2002年以降、最も悪いレベルに落ち込むだろうとの予想が一般的だ。

 だが、全米小売業協会(NRF)は25日、26日には売り上げが急上昇し、「7200万人の顧客が自宅またはオフィスからオンラインで買い物をしようと計画しており、2006年の6070万人、2005年の5900万人より多くなる」と予測している。NRFの調査では、昨年より17.3%多い、成人の31.9%がサイバーマンデー(感謝祭明けの月曜日のことで今年は11月26日)にオンラインで買い物をするとしている。

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