米Googleは、いずれ検索トレンド分析ツール「Google Trends」のAPIを公開し、開発者が自分のアプリケーションに組み込んだり、あるいは個人的用途のために同ツールの分析データをダウンロードしたりできるようにする方針という。同社幹部が12月4日、明らかにした。
Google TrendsはユーザーがGoogleで入力した検索キーワードを記録し、そのトレンドを分析するためのツール。Googleの検索製品および利便性の向上担当副社長のマリッサ・メイヤー氏は、Google TrendsのAPIを公開するタイミングについては明言しなかった。
だが同氏によると、GoogleはこれらのAPIを気に入っており、またユーザーからは「Google Trendsのデータを表計算ソフトに取り込んで処理できるようにしてほしい」との声が寄せられていたという。APIの公開が実現すれば、例えば、ユーザーはGoogle Trendsのデータを使って当年度とそれまでの年度を比較するスプレッドシートを作成したりできるようになるはずだ。
「まだAPI公開の具体的な日時を述べることはできないが、APIを公開するつもりであることは確かだ。いずれGoogle Trendsをほかのアプリケーションに組み込んだり、Google Trendsのデータを活用したりできるようになるのは確実だ」とメイヤー氏は4日に行ったGoogle Trendsに関するWebキャストでの説明会で語っている。
GoogleがGoogle TrendsのAPIを公開し、ユーザーがGoogle Trendsのデータをダウンロードできるようになれば、マーケティング担当者はトレンド分析を自由にカスタマイズし、新たなパターンを発見できるようになるだろう。そして、製品やサービスごとにうまくユーザーのターゲットを絞れるようになれば理想的だ。
Google Trendsが公開されたのは2006年5月。メイヤー氏によると、Googleも同ツールを使って検索のクオリティを高めているという。
Google Trendsでは、任意の検索キーワードについて、その検索回数や、関連するニュースがGoogle Newsに登場した回数が折れ線グラフで表示される。
またGoogle Trendsには「Hot Trends」と呼ばれる機能があり、その日に最も検索されたキーワードをチェックできるようになっている。Hot Trendsページへのリンクをクリックすれば、そのキーワードの検索のピーク時間やトップ地域のほか、関連のニュース記事やブログ記事などを確認できる。
さらに検索トレンドボックスに複数のキーワードを入力すれば、クエリ件数などを複合的に分析できる。なおGoogle Trendsでは、2004年1月以降に実行された検索のみが分析の対象となる。
Google TrendsのAPIの公開はGoogleにとって当然の流れでもある。同社は10月31日には、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)向けのアプリケーションを開発するためのAPI「OpenSocial」を公開している。
また同社はユーザーが自身のWebページに「Google Maps」を組み込むためのAPIのほか、Webアプリケーションをオフラインでも利用可能にするための「Google Gears」のAPIも公開している。
メイヤー氏は4日のWebキャストで、Google Trendsに関する説明の前に、2007年のGoogle検索キーワードのランキングを発表した。
同氏によると、2007年にはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイトが大勢を占め、検索キーワードの上位10位のうち4つがSNSサイト(「YouTube」「Club Penguin」「MySpace」「Facebook」)だった。トップの検索キーワードは「iPhone」で、そのほか「Webkinz」(ぬいぐるみ連動型のSNS)、「Transformers」(玩具)、「Heroes」(テレビドラマ)、「TMZ」(セレブのゴシップニュースサイト)、「Anna Nicole Smith」(今年変死した元女優)といったキーワードがトップ10入りを果たしている。
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