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国際自転車競技連合、「生化学」パスポート導入へ

» 2008年01月11日 08時26分 公開
[ITmedia]

 国際自転車競技連合(UCI)は1月9日、昨年10月に発表した「生化学パスポート(biological passport)」について、一部選手に対しては月内に発行開始することを明らかにした。生化学パスポートはドーピング防止を目的としたもので、選手個々のドーピング検査の結果や、血液および尿の成分割合などが記録される。

 UCIは生化学パスポート導入のため、抜き打ちテスト実施に必要な選手の所在把握システム、選手に対する検査結果収集の手法確立、血液および尿サンプル分析を担当する研究所のリスト作成、資金調達、システムを運営、監視する独立団体の設置を進めてきた。

 所在把握システムについては、UCI ProTeamsに所属する約500人については既に確立。さらにProfessional Continental Teams所属の100〜200人についても近く導入が予定されており、所在が確実に把握できる選手に対しては、今月から生化学パスポートを発行するという。年内に660人に発行する計画だ。

 UCIは外部機関の支援を受け、年間約7000件の血液および尿サンプルを収集し、UCIおよび世界アンチドーピング機関(WADA)が認可した研究所が検査を行う。現在5つの研究所が認可されている。

 生化学パスポートプログラム実行機関は昨年10月末に設置された。この機関はUCI、WADA、フランス厚生労働省のメンバーによって構成されており、既に数回の会議を持っている。また専門家から構成される委員会や、監視評価委員会も近く設置される計画だ。

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