クアッドコアのマイクロプロセッサ投入で苦戦している米AMDは、新しいデスクトップ向けプロセッサ「Phenom」2種類の発売を、4〜6月期まで延期する。
AMD Phenom 9700と9900プロセッサは、既に発売済みのPhenomプロセッサ3モデルに加わるもので、当初予定では1〜3月期中に発売するはずだった。
米ラスベガスで開かれた「2008 International CES」で、この新プロセッサ登場が遅れるという情報が浮上し、AMDの広報がこれを認めた。その代わりに同社は省電力モデルの「Phenom 9100e」と、トリプルコアプロセッサを1〜3月期中に発売することに力を入れる。
広報担当者はeWEEKへの電子メールで次のように記している。「当社は現在、大量のPhenomを出荷しており、これに加えて1〜3月期は省電力版のクアッドコアPhenomを発売し、トリプルコア製品も出荷する。この変更は、これら(省電力プロセッサ)とトリプルコアのパーツを切望していたOEMパートナーからも歓迎されている」
AMDのクアッドコアOpteronとPhenomは、プロセッサ内部の変換索引バッファのバグに見舞われ、2次キャッシュから3次キャッシュに転送されるデータに問題が起きていた。しかしAMDによると、今回の遅れはこの問題とは無関係で、もっと一般的な顧客のニーズに対応するために決めた方針だという。
PhenomはAMDの新しいデスクトップ用プラットフォームで、ゲーマーやハイエンドPC向けとなっている。延期が発表された後、1月初旬にHewlett-Packard(HP)がPhenom 9500を搭載したデスクトップPC新製品「m8330f」を発表したのはAMDにとって朗報だった。
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