朝日新聞社と時事通信社、日刊工業新聞社は2月6日、3社の記事バックナンバーなどを一括検索できる、有料のデータベースサービス「キジサク」を4月1日に発売すると発表した。月額6300円からと、競合の「日経テレコン21」より安価に設定したのが特徴。中小企業向けに売り込み、3年で5000ユーザー獲得を目指す。
3紙の記事バックナンバーに加え、「週刊朝日」「AERA」の記事を、キーワードや掲載日などを指定して横断検索できる。別料金で朝日新聞の「知恵蔵」「人物データベース」や、時事通信の官公庁情報、アジアビジネス情報、専門誌7誌の記事も検索可能だ。
6月1日以降に「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)、「会社四季報」(同)、「企業概要」(帝国データバンク)も検索できるようにする。
ユーザー企業がプレスリリースを発信できる機能も備えた。専用フォームに入力・投稿してもらい、チェックした上で掲載する。
基本料金は、100記事前後を閲覧できる「ライトコース」が月額6300円、400記事前後を閲覧できる「ミドルコース」が同1万5750円。それぞれ検索・閲覧可能数の上限を超えると追加料金が発生する。料金は媒体によって異なり、朝日新聞なら1検索当たり10.5円、記事1本当たり105円など。
有料の記事データベースサービスは、日本経済新聞デジタルメディアが運営する「日経テレコン21」や、ジー・サーチが運営する「G-Search」などがある。
テレコンは1 ID契約なら月額8400円で、記事検索や閲覧に別途料金が必要。G-Searchは法人契約なら基本料金が3000円で、記事検索や閲覧に別途料金がいる。キジサクは、基本料金が日経テレコンよりも安価かつ、追加料金なしで一定量の記事を閲覧できるという割安感を売りにする。
3社は、日経テレコンやG-Searchにも記事を提供しているが「2サービスとはこれからも良好な関係を続け、記事を引き上げるつもりはない」(朝日新聞社の田仲拓二デジタルメディア本部長)という。
サイトの構築や運営は朝日新聞が担当。3年後に5000社への導入・5億円の売り上げを目指す。
「メディアを取り巻く環境がたいへん厳しい中、3社で新しい地平を切り開いていきたい」と、朝日新聞社の田仲拓二デジタルメディア本部長は意気込みを述べる。
ネット上には無料の情報もあふれているが、同本部の大西弘美マネージャーは「GoogleやYahoo!検索で十分という意見もあるだろうが、検索で得られる情報は、自分で確かさを確認する必要がある。新聞社の記事ならソースをきっちり保証できる」と有料サービスの意義をアピールした。
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