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» 2008年03月24日 11時00分 公開

誰でも動画の作り手に――DTM企業が「ニコニコムービーメーカー」を開発した理由(2/2 ページ)

[岡田有花,ITmedia]
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 ネット以前の当時。DTMには解決できない課題があった。作った物をどう発表するか、だ。電子楽器メーカーがコンテストを開催するなど発表の場を工夫していたが「オフラインではあまり広がりがなかった」。

DTMソフトはどんどん難しくなっていった

 同社の看板ソフトでもあるSinger Song Writerシリーズは、初心者でも使いやすいシークエンスソフトを目指して開発し、実際、初心者層に歓迎されてきた。だが一方で、DTMの音はリアルに進化。それにつれてDTMソフトは全般的に高度化・難化していく。

 「DTMユーザーは、昔の方が素人が多かったと思う。今はミュージシャンがほとんどDTMを使うようになったことで、ソフトがどんどんプロ志向になり、難しくなっていった」

 加えて、PCの機能が増え、ネットにつながるようになったことで、PCに占めるDTMの存在感も薄れていった。「MS-DOS当時と比べるとPCの普及率は飛躍的に高まった。だがDTM市場は横ばいが続いている。PCを持っていても、インターネットしかやっていない人も多いだろう」

 「そもそも、PCで多様な音楽を作り出すことができること自体、知っている人が少ない。メジャーなアーティストの音楽作品などを除けば、CM音楽など世の中の音楽はほとんどPCで作られているが、それを知ってる人はPCを持っている人の10%程度では」

ニコニコ動画が“復帰組”を連れてきた

 そんな状況を変えたのが「ニコニコ動画」と「初音ミク」の登場だ。ネット以前のDTM時代にあった「発表の場がない」という悩みを、ニコニコというメディアが解消。DTMで作られた初音ミク作品の人気が高まるにつれ、「一般の個人でも、PCで高度な音楽を作ることができる」という認知も広がってきた。

画像 Singer Song WriterでDTMを学ぶ「週刊マイミュージックスタジオ」創刊号

 ニコニコ動画のような発表の場は、DTMマーケットの維持に役立つと村上社長は指摘する。「DTMは、最初は面白くても、反応がもらえないと自己満足に終わり、だんだん飽きてくる。発表の場があり、反応がもらえると、作り手も作りがいがあり、辞める人が少なくなるのでは。楽曲制作には音楽の知識が必要で、初心者が急に参入できる分野ではないためすそ野はなかなか広がらないが、以前DTMをやっていたが辞めてしまった人が今、復帰しているのだろう」

 初音ミクについては「単一パッケージで3万本売り上げるというのは、これまでになかったのでは。当社で一番売れたSinger Song Writerのライト版でも、1年に2万5000本程度だ」と驚く。

 DTMが盛り上がってきたこのタイミングで、デアゴスティーニ・ジャパンが週刊誌「週刊マイミュージックスタジオ」を1月に創刊。Singer Song Writerを使ってDTMを学べる週刊誌で、ニコニコ動画登場以前の2年前から企画していたという。初音ミクブームと重なったのは偶然だったようだが、DTMの盛り上がりの波はさらに大きくなっていきそうだ。

ユーザーの声、ニコニコのコメントから拾う

 動画も音楽も、ほんの少し前までは「難しそうで普通の人にはできない」と思われていた。インターネットは、「ニコニコムービーメーカー」のようなツールを提供することで、一般ユーザーでも気軽に制作・発表できるツール提供を目指す。

 ニコニコ動画上でユーザーの声を聞きながら、ソフトの機能追加を検討していくという。操作説明の動画に寄せられたコメントや、ユーザーが公式掲示板上に作ってくれたスレッドなどから吸い上げているといい、機能のブラッシュアップにつなげる。

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