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「もはや壁に張るテレビ」――厚さ35ミリ・ネット対応の新「Wooo」

» 2008年04月14日 16時57分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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 「もはや壁に張るテレビ」――日立製作所は、薄型テレビ「Wooo」の新機種を4月26日から順次発売する。モニター部の薄さが35ミリの液晶テレビ「UTシリーズ」は、ネット接続に対応。壁の補強工事なしで、石膏(せっこう)ボードの壁にUTシリーズを取り付けられる専用ユニットも発売し、手軽に壁掛けできるテレビとしてアピールしていく。

 液晶は、UTシリーズ3機種(42V型、37V型、32V型)と下位の「02シリーズ」(42V型、37V型、32V型)を6月7日に発売。プラズマはフルHDの50V型など3機種を4月26日に発売する。それぞれオープン価格で、実売予想価格はUTの42V型が44万円前後など。


画像 Wooonet

 UTシリーズは、モニター部の厚さを35ミリにした超薄型デザインが特徴。モニター部とチューナーユニットを分離した設計で、壁掛けにするなど自由に設置できる“レイアウトフリーのテレビ”として訴求してきた。今回は新たにネット接続に対応。6月7日に開設する専用ポータル「Wooonet」を通じ、「アクトビラ」などのサービスを利用できるようにする。

 日立製のビデオカメラで撮影した映像を、PCからWooonetのサーバにアップロードし、テレビで視聴できる「ビデオdeメール」(月額315円)も始める。送信先のテレビのIDを指定してアップロードする仕組みで、離れて暮らす家族に映像を送ってテレビで確認してもらう――といったことが可能だ。


画像 上が新発売の壁掛け用ユニット。従来、石膏ボードの壁にテレビを取り付ける際、下のように壁の補強工事が必要だった

 「日本の全ての壁にテレビを」――日本家屋に多い石膏ボードの壁に、壁の補強工事なしでUTシリーズを取り付けられる専用ユニットや、UTシリーズを壁に寄せて設置できる専用スタンドも新たに発売する。

 同社によると、UTシリーズのユーザーの15.2%は壁に掛けて設置しており、UTシリーズの購入のポイントとして、74%が「デザイン」、60%が「薄さ・壁掛け・軽さ」と答えているという。専用ユニットを活用することで、さらに“レイアウトフリー”を訴求していく。

 UTシリーズとプラズマには250GバイトのHDDを内蔵したほか、液晶・プラズマ全機種で、カセットのように着脱可能なHDD「iVDR-S」に対応。デジタルハイビジョン放送をそのままの画質で録画できる。北京オリンピックに向け、録画を楽しんでもらえるよう、iVDR-Sのプレゼントキャンペーンも実施する。フルHDの50V型プラズマには、新開発のパネルを採用し、コンストラスト比を3万対1まで高めた。

 2007年度の同社AV機器事業の業績は1000億円の赤字になる見通しだが、大沼邦彦副社長は、今回発表した新機種について「08年度のコンシューマー事業を黒字化するため、大きく貢献できると考えている」と期待を込めた。

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