自動車部品などを製造している豊田合成は、車体の外側に飛び出るエアバッグの開発を進めている。歩行者が自動車と衝突したときの衝撃を和らげるのが狙いだ。「人とくるまのテクノロジー展2008」(パシフィコ横浜、23日まで)で、自動車の模型にエアバッグの模型を付けて展示していた。
従来のエアバッグは、運転席や助手席などから車内に向かって開き、乗車している人を守る。同社が開発に取り組むのはその逆で、車体の外側に飛び出る。車と歩行者が衝突する直前に、車体のフロントグリルとワイパーの下の部分からエアバッグが飛び出す仕組みだ。
飛び出たエアバッグは、フロントガラスの下の部分とフロントグリルをすっぽり覆い、歩行者が自動車の前方と衝突したり、衝突したはずみでバンパーに乗り上げた際の衝撃を吸収する。
走行中に人が近づくと、車体に取り付けたセンサーが感知し、エアバッグが衝突前に開く――という仕組みを想定しているが、センサーの開発が難しいという。「車庫入れなどの際にエアバッグが誤って開いてしまってはいけない」(説明員)
実用化の時期は未定だ。車体の外側に飛び出すエアバッグが搭載された自動車はまだないという。
昨年の東京モーターショーでは、本田技研工業が、車体が柔らかいシリコンでできた自動車「PUYO」を参考出展していた。「運転手だけでなく、歩行者も保護していこうという発想は近いと思う」(説明員)
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