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「Tarzan」「Hanako」のバックナンバーを無料で読める「MSNマガジンサーチ」

» 2008年05月29日 17時17分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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 マイクロソフト(MS)は5月29日、雑誌のバックナンバーを無料で閲覧したり、記事を検索できるサイト「MSN マガジンサーチ」を開設した。第1弾として、マガジンハウスの隔週刊誌「Tarzan」と「Hanako」の昨年10月以降のバックナンバーを公開。サイトで記事に触れてもらい、雑誌の購読につなげる狙いだ。

 広告を除く雑誌の編集記事や写真を、雑誌と同じレイアウトで閲覧できる。昨年10月から今年4月までに発売したTarzan(11号分)とHanako(12号分)を掲載した。最新号は、発売から一定期間経った後に順次追加していく予定。6月には「クロワッサン」もラインナップに加わる。

 Flashで構築した専用ビューアーを使い、Webブラウザ上でページをめくるような感覚で読める。記事をキーワード検索したり、記事の気になる部分に付せんのアイコンを付けて登録しておき、後から確認できる機能も備えた。記事の拡大・縮小も可能だ。

 サイトには広告を配信。収益を両社で分配するほか、マガジンハウスが運営する雑誌販売サイトへのリンクも備え、雑誌の購買につなげる。

「雑誌業界は大変な状況」

 両社は企画段階から協力し、3年かけてサービスを開発した。マガジンハウスは昨年10月以降、新サイトで記事を公開するための2次利用契約をライターやカメラマンなどと結ぶなど、準備を進めてきた。

画像 マガジンハウス営業局の久我英二局長

 マガジンハウス営業局の久我英二局長は「雑誌は手に取って見ていただき、買ってもらうという性格のもの。サイトで雑誌の世界観に同感してもらい、買っていただければ」と話す。

 雑誌のブランド力を高めるのも狙いという。「雑誌の総売上は10年連続で前年割れするなど、雑誌業界は大変な状況。その波の中でマガジンハウスがやってこられたのは、雑誌のブランド力を高めてきたから。雑誌は基本的に紙媒体という方針は変わらないが、ブランド力を高めるには、ネットなどさまざまなシーンが必要だ」(久我局長)

 サイトへのアクセス状況から人気の記事を分析し、雑誌作りにも役立てていきたい考えだ。

 Hanakoの読者は30代女性、Tarzanの読者は30代男性が中心。ショーン・チューMSNエグゼクティブプロデューサーは、マガジンハウスについて「都会派層のユーザーがターゲットのMSNと読者層がマッチしている」と話す。

 今後、サイトで閲覧できる雑誌のラインナップを拡充する予定で、まずはマガジンハウスのほかの雑誌に広げる。他社の雑誌に関しても協議していく。

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