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「ダビング10」開始日確定 「国民不在」との声も

» 2008年06月24日 00時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 総務相の諮問機関・情報通信審議会の情報政策部会が6月23日開かれ、「ダビング10」の開始日時が7月4日午前4時に決まったことが報告された。消費者側の委員はダビング10合意について「権利者側の提案であり、国民不在だ」などと批判した。

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 ダビング10は当初6月2日スタートを予定していたが、権利者とメーカー側の対立で延期。6月19日に行われた情報政策部会傘下のデジタル・コンテンツ流通促進検討委員会(主査:村井純慶応義塾大学教授)で権利者側が譲歩し、デジタル放送推進協会(Dpa)が7月4日午前4時に開始すると決めた(ダビング10開始、7月4日午前4時に)。

 情報政策部会では、主査の村井教授とDpaの担当者が開始日を盛り込んだ同委員会の答申案を報告した。

 これに対し、生活経済ジャーナリストで、デジタル・コンテンツ流通促進検討委員会の委員も務める高橋伸子委員は「ダビング10はそもそも、とてつもなく不便なコピーワンスの解消のために議論され妥協案。EPN(Encryption Plus Non-assertion)が理想と言っている人も多く、委員全員のコンセンサスは得られていない。今回のダビング10合意も権利者側からの提案であり、国民からの提案にはなっていない」と批判した。

 答申案には、権利者側の要望を反映し「情報通信審議会として、文化審議会(文化庁長官の諮問機関)で私的録音録画補償金について、早期に関係者間の合意形成が図られることを期待する」「クリエイターに対する適切な対価の還元の具体策について継続的に検討する」といった内容が盛り込まれている。

 高橋委員はこれも批判。「消費者側としては、ダビング10というコピー制限がある以上補償金は必要ないという立場。そもそも委員会ではダビング10と私的録音録画補償金をペアで議論したことはない。文化審議会での補償金についての合意形成も、期待はしていない人もいる」と指摘し、24日に開かれる同委員会で意見を述べていきたいと話した。

 村井教授は「消費者側の立場から意見を言っていただいたが、いろんな立場の人が異なる意見を持つことが分かっている分野。中間答申は文言を気をつけて修正し、異なる意見があった部分は両論併記したい」と話した。

 同委員会は、24日の会合で意見を調整して中間答申をまとめ、委員の了承を得た上で、27日の総会で報告書を提出する予定だ。

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