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「コンピュータ」→「コンピューター」に MSが表記ルール変更

» 2008年07月25日 17時40分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 変更例。変更される全314語のファイルはWebサイトからダウンロードできる

 「コンピュータ」は「コンピューター」に、「プリンタ」は「プリンター」に、「エクスプローラ」は「エクスプローラー」に――マイクロソフトは7月25日、同社製品・サービスで外来語をカタカナ表記する際、末尾に付ける長音符号(ー)の表記ルールを変更すると発表した。IT機器の一般化に伴い、より一般的で実際の発音に近い表記に統一するとしている。

 変更するのは314語。製品バージョンアップの際に適用していく計画で、第1弾として、8月中にリリース予定の「Internet Explorer 8 Beta2」に実装する。

 新表記は、国語審議会の報告をもとに告示された内閣告示第二号(1991年)をベースにしたもので、「er」「or」「ar」などで終わる単語は原則、「コンピューター」「プリンター」「エクスプローラー」など末尾の長音符号を表記。新聞やテレビ、一部IT機器メーカーで取り入れられている表記に合わせた。

 従来の同社の外来語カタカナ表記ルールは、JIS規格の表記ガイドライン(JIS Z 8301)に沿っており、JISに規定されていないものは「2音の用語は長音符号を付け、3音以上は省く」ことを原則としていた。長音符号を極力省いて文字数を減らすことでテキスト容量を削減したり、文字面積を減らして画面を広く使うことができることもあり、工業界ではこういった表記が一般的だった。

 だが実際の発音と異なる表記も多く、工業界になじみのない一般ユーザーに違和感が強かったほか、最近はPCのメモリ容量拡大やディスプレイ面積拡張で字数を削る必要がなくなってきていた。読み上げソフトでテキストを読み上げた際に分かりにくいというアクセシビリティの問題もあり、表記ルールを変えることにした。

 製品のバージョンアップ時に順次対応していく計画で、まずはInternet Explorer 8 Beta2に実装する。既存製品への適用は考えておらず、Windows Updateによる更新や、サービスパックへの適用は行わない。Windowsも次期バージョン(Windows7)からの対応で、Windows Vistaは対応しない。

 この変更によって、従来表記に合わせて作られていたソフトや、同社製品の解説本、関連講座のテキスト、マニュアルなどは修正が必要になる可能性があるとしている。

 ルール変更の検討を始めたのは2003年ごろで、専門家を交えて議論してきた。早い段階で新表記を採用していたプリンタメーカーからは「当社の機器は『プリンター』と書いているのにWindowsは『プリンタ』となっている。どうにかならないか」と相談も受けていたという。今回の変更に当たって富士ゼロックスやリコーなどプリンタメーカーが賛同コメントを発表している。

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