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マルウェア業界にも不況の風Neosploitが廃業宣言

» 2008年07月30日 08時41分 公開
[ITmedia]

 PCの脆弱性を突いてマルウェアを大量配布するための攻撃者御用達ツール「Neosploit」が、業績不振から廃業を宣言したとセキュリティ企業のRSA Securityがブログで伝えた。

 RSAによると、Neosploitは感染候補となるPCをチェックして各種ソフトの脆弱性を見つけ出し、任意のマルウェアを配布する攻撃ツール。インターネットのアンダーグランドで販売され、「安定性と拡張性に優れた」感染ツールとして攻撃者の間で評判が高まっていた。

 2008年4月にはさらに機能を強化したバージョン3.0.0が登場。その後もNeosploit開発チームはバージョンアップを繰り返し、顧客サポートやQ&Aフォーラムまで提供していたという。

 ところがRSAが7月半ばになって、Neosploitが業績不振に陥っているという観測が浮上。新規顧客が思うように獲得できず、既存顧客だけでは従来のようなピッチで機能強化を図れるだけの収益が上げられなくなったらしいという。

 こうした事情からNeosploitの提供中止を余儀なくされ、ある筋によれば、Neosploitチームが「廃業宣言」を出したという。RSAがサイトに掲載した廃業宣言の翻訳は、次のような内容となっている。

 「残念ながら、製品のサポートを続けることができなくなりました。ご不便をおかけすることをお詫びします。これまでの数カ月間、お客様のニーズに応えようと努めてきましたが、いずれかの時点でサポートを打ち切らなければなりません。あなたのビジネスのご発展をお祈りします」

 Neosploitが実際に廃業するのか、それともいずれ復活するのかは不明だが、需要があればいずれまた、マルウェア感染用の専門ツールが登場してくるのは必至だと、RSAは解説している。

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