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「iPhoneで人生観変わった」と孫社長 2990円プランでライトユーザーにも拡販

» 2008年08月05日 21時14分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 “マイiPhone”を手にする孫社長

 「iPhoneを使う前と使った後で、人生観が本当に変わった。毎日が楽しくてしょうがない」――ソフトバンクの孫正義社長は8月5日に開いた4〜6月期の決算発表会で、時間の大半を使って「iPhone 3G」を賞賛し、自分のiPhoneを使ってさまざまな機能を使ってみせた。

 ソフトバンクモバイルは同日、パケット定額制を改定。月額最低7280円必要だったiPhoneを同2990円で使えるようにし、ライトユーザーにも気軽にiPhoneを利用してもらう狙いだ。6日からは全国の取扱店で予約を受け付けられるようにするほか、法人向け販売は今月中にも始めるなど、「想定以上の売れ行き」というiPhoneをさらに拡販する構えだ。

「iPhoneを持っている人とそうでない人では人生の速度が変わる」

 「先週、中国に出張したのだが、一度もノートPCを開かなかった。ホテルでノートPCのネット接続に苦労して時間を取られることもなく、移動中でもネットにつなぐことができ、本当に効率が上がる。メールはiPod機能で音楽を聞きながらできる。毎日が楽しくてしょうがない」――孫社長は会見の冒頭からiPhoneへの賛辞を繰り返した。

 会場の記者やアナリストのうちiPhoneを買った人に挙手させ「15%ぐらいですかね。“進んでいる”人が多いから」と笑顔。「iPhoneを持っている人とそうでない人では人生の速度が変わる。別人種と言っていいくらいの違いが出てくるだろう。本当に、面白くてかわいくてしょうがない」と目を細めた。

 iPhoneの機能を9枚のプレゼン資料で改めて説明し、自分の端末を使ったデモにも長い時間を割いた。ソフトバンクホークスの試合結果をチェックしたり、そろばんのアプリをはじいて見せたり、楽器のアプリでドラムやギターを演奏したり、「ゴルゴ13」の漫画アプリをめくったり、クリックすると“プチプチ”がつぶれるアプリで遊んでみせたり──普段から使い込んでいる様子がよく分かるデモだった。

 これが優に10分以上続いた後、その後同社スタッフ2人が「ビジネスでの使い方」「プライベートの使い方」をそれぞれデモ。スタッフが操作に詰まり、孫社長が「ここをこうすれば」と助け船を出すシーンもあった。

 iPhoneについてはユーザーから「3Gネットワークがつながりにくい」「ブラウザがよく落ちる」といった声も出ている。孫社長は「自分も使っているが、3Gネットワークは十分にいけると感じている。複数のアプリを立ち上げているとメモリを食ってブラウザが落ちることもあるが、そんな場合はホームボタンを長押しすればメモリをリセットでき、快適に使える」と、ユーザー目線で回答した。

月額最低7280円→2990円に

 iPhoneユーザーは月額5985円の「パケット定額フル」に加入する必要があり、基本料金などと合わせて月額最低7280円が必要だったが、同日、パケット定額フルに、利用パケット数に応じて料金が変動する仕組みを追加し、月額最低2990円から利用できるようにした(iPhone月額利用料が最低2990円に パケット定額制を改定)。

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 8月利用分から適用する。利用パケット数が最低(2万175パケットまで。1パケット当たり128バイト)の場合のパケット料金は1695円。ホワイトプランなどの基本料金と合わせた月額利用料は2990円となる。パケット料金は利用に応じて5985円まで上がり、5985円以上は使い放題になる。

 新プラン導入で、これまでターゲットとしてきたネットのヘビーユーザーだけでなく、「iPhoneには興味があるが、月額料金が高くて手が出ない」というライトユーザーにも拡販する構えだ。

 安価なプランによってユーザーが増えるとトラフィックが増え、ネットワーク負荷も高まりそうだが、「ある程度の台数ボリュームを取りに行っても対応できる」と孫社長は自信を見せる。従量課金は通信するほどお金がかかるため、ユーザーが「3Gではなく無線LANで通信しよう」とコストを計算し、3Gネットワーク利用を控えることも期待している。

 iPhoneは6日から、全国の取扱店で予約販売が可能になる。「予約販売のシステムが整ったため」という。法人向け販売も今月中にも始めるという。「使い方をマスターしたスタッフに販売させる」

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