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外科医はゲーマーの方が名医?――米大学調査

» 2008年08月19日 06時00分 公開
[ITmedia]

 ある種のゲームにはプレイヤーの器用さや問題解決力を強化する効果がある――。8月17日開催の米国心理学会の年次総会で、ゲームに関する幾つかの論文が発表された。

 米アイオワ州立大学のダグラス・ジェンタイル博士は、高校生、大学生、外科医を対象としたゲームの使用とその影響に関する論文を発表した。それによると、ゲームで遊ぶ外科医の方が高度な外科処置で27%速く措置でき、37%ミスが少なかったという。

 303人の外科医を対象とした別の調査では、外科医に空間認識能力と手先の器用さを必要とするゲームをプレイさせた後、これらのスキルをテストしたところ、ゲームをプレイする前より非常に速くなり、またこのゲームをプレイしたことのない外科医よりも速かった。

 「ゲームは強力な教育ツールであり、予想もしないさまざまな効果があるということだ」(ジェンタイル氏)

 米ウィスコンシン大学マディソン校のコンスタンス・スタインクーラー博士の論文は、ゲームの学習が科学的思考を促進することに着目したものだ。MMORPGのWorld of Warcraftに関する2006年11月の2000件近い投稿を分析することにより、どのような話題が多いかを調査した。分析の結果、システムやモデルを使った推論、フィードバックの理解、問題を調べるための予測、テスト、数式の使用といったさまざまな科学的思考が行われていることが明らかになったという。投稿者の86%は問題解決のために知識を共有、58%は、科学的推論を示唆するような、体系的な評価プロセスを使っていたと報告している。

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