キヤノンは、撮影レンズの反射光を抑える特殊コーティング「SWC」(Subwavelength Structure Coating)を開発し、12月中旬に発売する「EF24mm F1.4L II USM」に採用する。薄膜をレンズ表面にコーティングしてきた従来方式と異なり、ナノサイズのくさび状の構造物を無数に並べるもので、特に広角レンズで周辺部でのフレアやゴーストを抑えられるという。
レンズ面での光の反射は、空気とガラスの境界面で光の屈折率が大きく異なるのが原因で起き、フレアやゴーストの原因になる。従来のレンズコーティングは、レンズ表面に薄膜などをコーティングし、干渉作用を利用して反射光を抑えてきた。だが光の入射角などによってはフレア・ゴーストを防止できないこともある。
新コーティング「SWC」は、可視光の波長(350ナノ〜750ナノメートル)より小さいサイズのくさびを無数にレンズ表面に並べることで、光の反射を抑える。ガラスと空気の間の屈折率を連続的に変化させられるため、屈折率が大きく異なる境界面をなくすことができ、反射光の発生を大幅に抑えられるという。
特に入射角が大きな光に対して優れた反射防止効果があり、広角レンズなど曲率が大きいレンズに採用することで、従来は難しかった周辺部での反射光によるフレアやゴーストの発生を大幅に抑えられるという。
「EF24mm F1.4L II USM」はEOS用の広角大口径レンズ。23万5000円(税抜き)。
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