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グループの仲間限定でブックマークを共有する「4dk」

» 2008年09月24日 11時04分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 ネットベンチャーのグルコースは9月24日、グループに参加しているメンバー限定でブックマークを共有できるサービス「4dk」(ヨンディーケー)を公開した。Web全体に公開するソーシャルブックマークとは異なり、「このページは仕事に役立ちそうだから仕事仲間だけと共有」など特定のメンバーだけでブックマークを共有し、コメントでコミュニケーションできる。

 ユーザー同士でグループを作り、それぞれのグループに対してブックマークを投稿する。「仕事仲間」「フットサル仲間」など実際のコミュニティーのメンバー同士で共有したり、「面白い動画」「笑えるネタ」などテーマごとに作成してメンバーからの投稿を集める、といった使い方が可能だ。メンバーの権限は「投稿・閲覧とも可能」「閲覧のみ可能」など、管理人が自由に設定できる。

 ユーザーは、グループに参加した上でブックマークレットを使ってURLを投稿すると、参加中のグループを一覧表示。共有したいグループをチェックし、コメントやタグを付けてブックマークする。

 投稿時には、参加中のグループで過去に利用されたタグをタグクラウドで表示。クリックするだけでタグを追加できる。タグ表記の揺れを防ぐ機能として、文字を入力すると、過去にそのグループで投稿されたタグやWikipediaの項目から、その文字で始まる単語を検索して表示する機能も備えた。


画像 ブックマーク投稿時の画面
画像 ユーザートップページ

 ユーザートップページ「ダッシュボード」には、参加中の全グループのブックマークを、投稿された順に一覧表示。グループごとのページにアクセスすることもでき、ブックマークをグループごとに確認することも可能だ。

 ブックマークの「視聴率」を%で表示する独自の機能を装備。そのブックマークが、グループ内の何%の人に閲覧されたのかが分かり、自分が投稿したブックマークがどれぐらいの人に読まれたかを確認できる。

 前日に投稿されたブックマークの一覧をメールで配信する「朝刊」機能も付けた。

 メールアドレスを登録するか、OpenIDでログイン可能だ。

共同作業をサポートしたい

 「このページ、面白いから見ておいて」――仕事や趣味の仲間にメールでこう伝える人は多い。だがそんなメールには返事がないこともあり、メールを開いてもらえたか分からず不安になることもある。4dkはそんな心配を解消し、Web上の情報を効率的に仲間と共有できるサービスとして開発した。

 「4dk」は「読んどけ」という意味で付けた。「上司が部下に対して『お前ら、これを読んどけ』と言うイメージ」だ。仕事のグループなどで4dkを使ってあらかじめ情報共有し、議論の前提をすりあわせておけば、会議なども効率的に進められるのでは、と大向さんは話す。

画像 大向さん

 ブックマークを共有するサービスという意味ではソーシャルブックマークサービスといえ、友人同士でつながってコミュニティーを作る機能だけ見ればSNSとも言える。「今さらソーシャルブックマークやSNSを作るのはナンセンスと思われるかもしれないが」――国立情報学研究所(NII)でSNSを研究してきた研究者でもある同社の大向一輝さんは言う。

 「ソーシャルブックマークは、Web上で起きていることに対する自分の興味を外に見せる、“興味のコンテンツ化”だと思う。その一方で、メールでURLを共有するというような情報共有のやり方はここ10年ほど変わっていない。興味を外部に出すのではなく、人と人との集まり――コミュニティーの活動やコラボレーションをサポートする仕組みを作りたかった」

 4dkはまだ発展途上。ユーザーインタフェースや機能を改善していきたいという。今後は、記事レコメンデーション機能を導入するほか、mixiのOpenIDに対応し、mixiの特定コミュニティー限定ブックマークを作成できるようにする――といった機能追加を検討中。外部のSNSやソーシャルグラフによる人間関係をそのまま利用しながら、ブックマーク共有サービスのプラットフォームに育てていきたい考えだ。

 ビジネスモデルは検討中。まずはユーザーを増やし、タグを活用した広告掲載や、企業内の情報共有ツールとしての販売を検討する。

 サイト右上に試験的にGoogleのAdSenseを張っているが、同じ広告ばかりが出てほとんど意味がないという。「サイトの大半をAjax(Asynchronous JavaScript+XML)で構築しており、Googleのロボットにはその部分が空白に見えてしまうようだ。Ajaxでない部分には『dashboard』としか書いていないから、ダッシュボードの広告ばかり(笑)」

 ネットの口コミについての研究にも活用していく考え。学術的利用に限り、個人を特定できないデータの形式でデータを公開し、成果をフィードバックしていきたいという。

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