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都内の「ゲリラ雷雨」、77%を事前予測 ユーザーリポート活用で

» 2008年10月06日 20時18分 公開
[ITmedia]

 ウェザーニューズは10月6日、予測不可能とされている「ゲリラ雷雨」を、ユーザーの天気リポートを活用して高精度に予測することができたと発表した。最も精度が高かった東京都内では、7月30日から9月15日に起きたゲリラ雷雨のうち76.7%(172回のうち131回)予測できたという。

 ユーザーから報告された強い雨のうち、当日朝の時点で予測できなかった雷雨を「ゲリラ雷雨」と定義した。ゲリラ雷雨をもたらす雷雲は、急速かつ局地的に発達するため、従来の気象レーダーやアメダスの観測ではとらえ切れなかったという。

画像 従来の気象レーダーでは雨雲が高度2キロ以上に達して初めて確認できるが、この時点では発生から10分以上経っており、すでに雨を降らせている可能性が高く、その数分後には激しい雷雨をもたらすという。防衛隊員の目視なら、2キロ以下の雨雲も確認できる

 予測に使ったのは、気象レーダーなどの観測データに加え、全国に1万人以上いるという「ゲリラ雷雨防衛隊員」のリポート。ゲリラ雷雨の可能性がある気象条件がそろった場合、その地域の防衛隊員にメールを送り、現在の天気や雲のある方角、雷鳴の有無、湿気などの肌感覚、写真などを送信してもらった。「10分天気予報」(月間100万ユニークユーザー)ユーザーからの気象リポートも活用。発生を予測した場合、ユーザーには携帯メールで注意を促した。

 7月30日〜9月15日に発生したゲリラ雷雨に対し、事前に予測できたケースは、防衛隊員の人数が特に多い東京都では76.7%。注意メールは平均で発生の38分前に送信できたという。

 大阪府では62.5%(メール配信は平均8分前)、愛知県では63.9%(同19分前)、福岡県では71.7%(同29分前)が予測できていた。10キロ平方メートル以内に防衛隊員が150人以上いる場合、平均で90.9%の高率で予測でき、メールの平均送信時間は62分前だったという。

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