ソニーと慶応義塾大学は11月4日、技術系人材を育成する中長期のプロジェクトを実施することで合意したと発表した。同大学院理工学研究科を対象に、寄付講座の開講や人材交流、プレイステーション 3(PS3)を使ったアプリケーション共同研究などに取り組んでいく。
社会の変化に対応できる高度な能力を持つ技術系人材の育成に産学協同で取り組む。2009年4月以降、(1)主に修士・博士課程を対象にしたソニー寄付口座の設置、(2)大学院生によるソニーへのインターンシップ、(3)ソニーが150台提供するPS3とLinuxを活用した新アプリケーションの共同研究──を行う。
同大の安西祐一郎塾長は「修士課程は技術者の育成機関とみなされて成果を上げているが、博士課程は専門性が高くなり、就職しにくい問題がある。有能な人材が上を目指さないのは技術立国・日本のゆゆしき問題だ。日本の博士課程を変え、企業のニーズに合った修了者を排出させていきたい」と話し、自立していける「たくましい博士」の育成を目指していきたいと話す。
ソニーの中鉢良治社長は「短期・長期で環境が激変していくということは、今までの技術が通用しなくなるということ。全く新しい分野を切り開ける『高度理工系人材』が必要になる」と期待している。
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