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MS、Windows 7のアクセシビリティについて説明

» 2008年12月01日 15時07分 公開
[ITmedia]

 Windows 7をMicrosoftの中で最もアクセシビリティの高いOSにしたい――Microsoftは11月30日、Windows 7におけるアクセシビリティの取り組みについて解説した。

 同社はWindows 7のアクセシビリティ向上に向け、4つの面で取り組んでいる。1つ目は「UI Automation」による基盤の構築だ。UI AutomationはWindows Vistaで導入されたアクセシビリティコンポーネントで、障害者支援技術(AT)の開発を支援するためのもの。Windows 7では、UI Automationを改善し、同技術を幅広いATソフトで効果的に使えるようにするAPIを開発したという。C++、.NET Frameworkで書かれたアプリケーションがUI Automationを利用できるようになる。

 また従来のMicrosoftのアクセシビリティシステム「Microsoft Active Accessibility(MSAA)」にUI Automationをより緊密に統合し、これら新旧の技術を橋渡しする新たな方法を開発したとしている。この2つの技術の組み合わせを「Windows Automation API」と呼び、アクセシビリティの取り組みの基盤にするという。

 2つ目はWindowsに標準で搭載されているユーザー補助ツール「オンスクリーンキーボード」と「拡大鏡」の改善。オンスクリーンキーボードは、タブレット用のソフトキーボードとコードベースを共通化し、ルック&フィールを変更するとともに、サイズを変えられるようにした。基本的なテキスト予測入力機能も加えた。

 拡大鏡はさらに大きな変更を加えている。これまでの拡大鏡では、画面をポイントすると、固定された別ウィンドウに画面の一部が拡大表示された。Windows 7では、画面全体のズームを可能にする「フルスクリーン」モードと、虫眼鏡で画面を見るように、拡大表示ウィンドウをマウスで動かせる「レンズ」モードが利用できる。

 3つ目は、ブラウザやワープロなどのソフトが、テキスト読み上げツールや拡大鏡などのATソフトと互換性があるかどうかをチェックするツール「UI Accessibility Checker(AccChecker)」「UI Automation Verify(UIA Verify)」。これらツールはオープンソースとして公開されている。

 4つ目は、初めからアクセシビリティを念頭に置いた製品計画。Windows 7に盛り込む機能はいずれも、コードを書く前にアクセシビリティリスクの評価を行い、高リスク機能の開発チームにはアクセシビリティ強化のためのリソースやツールを供給しているという。

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