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ひろゆき&夏野コンビが語る「日本のITよ、自信を持て」(3/6 ページ)

» 2009年06月12日 19時56分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 例えば、女の子がバナナの皮で転びました、というのでクスっと笑える人はそれなりにいると思うんですけど、そこまで面白くもないので、テレビをつけて見たいものでもない。めちゃくちゃ面白いのは、楽屋落ちとか知り合いが出るもの。

 面白さをマスに向ければ向けるほど、面白さの質が下がっていくと思うんですよね。というようなことをダウンタウンの松本人志さんが言ってました。

夏野 今までの話は何なんだよ!

 まぁでも、逆に僕はアリだと思っていて、やりようはあると思ってる。テレビは面白いと思ってるのは、あんだけお金をかけて、あんだけ女優さん選んで、編成して出してるんだから、その時間に見れなきゃもう見れないと言う方がおかしい。

 この間僕は、某テレビ局の生番組に出て「1回しか見られないのは嫌だからオンデマンドでやりましょうよ」と言ってたら、まずオンデマンドが分からない。テレビ局の人とか民放連の会長とか。

 それから「その場で見てほしいんだ」と訳の分からないことを編成の人が言っているんですよ。「テレビというのは、その時間にお茶の間に座って見てくれるくらいの意気込みで作らないとダメなんだ」と。

ひろゆき そういう願望を持ってもいいとは思うんですけど、願望をそのまま伝えられても困りますよね。お客さんが選ぶものだから、お客さんに合わせて作らなきゃいけないのに、お客さんはこうなってくださいって。「そんなのいらねーよ」となるじゃないですか。

 例えば服を買うときに、「あなたはこのサイズになってください」と渡されているようなもので。

夏野 まぁそれも大事っちゃ大事だけどね、やせるためには。あと大リーグ養成ギプスとか。

ひろゆき そういうのは、商品が少ない時代は「まぁしょうがないからこれを買うか」となるけれど、これだけ商品が多い中で「僕たちに合わせた生活スタイルにしてください」というのは難しいと思うんですけどね。

NHKオンデマンドの苦戦 「ミッキー、お金持ちになっちゃって……」

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夏野 一方でね、(スライドを指して)こういうのやってるんだけど、ダメらしいよ。

ひろゆき NHKオンデマンド。

夏野 あんまりフルで言わないの!

ひろゆき NHKの過去のアーカイブがちゃんと見られれば、下手な民放の垂れ流し番組よりは全然面白いと思うんですけどね。

夏野 昔、「NHKスペシャル」で、僕、特集されたの。僕とミッキー、三木谷さん(楽天の三木谷浩史社長)と、あともう1人誰だか忘れちゃった。今あまりいない人で。

ひろゆき ちょ、それ本人聞いてたら怒りますよ。

夏野 誰か本当に忘れちゃったの。で、ITの潮流みたいな内容。その番組を今見たいなとNHKオンデマンドで探しても、ないの。

 NHKオンデマンドは権利処理ができたものだけを集めて出してる。でも、権利処理の打診、僕、受けてないの。僕は取材対象だから関係ないのかな? アナウンサーの権利かな、分かんないけど、見れないんだよね。

 あのころはミッキーと一緒にテレビ番組でられるぐらいだったのに、今やミッキー、お金持ちになっちゃって……

ひろゆき 夏野さんだっていい暮らししてるじゃないですか。さっきだって「iPhoneでまたワイン買っちゃったー」って。そんな、後ろで出場待ってる短時間でワイン買わなくていいじゃないですか。

夏野 オークションだから落ちちゃうの!

 だけど、今うちの奥さんは「なぜうちは別荘を建てられないのか」で夫婦げんかになってる。「別荘建てられないくらいなら、おむつ替えて」と言われる。「ほかのひとはみんな、別荘ぐらい建ててるじゃない」と。東京の家は賃貸だからせめて、と。

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 一方でアメリカでは「Hulu」という、米FOXとNBCが一緒になってやってる2008年に始めた動画サイトが、今年3月にはYouTubeに次いで再生回数の多いサイトになっちゃった。NBCとFOXで流れているドラマなどを、全部無料で出してます。広告もばっちり付けて。

 2008年の広告収入は65億円(6500万ドル)、粗利は12億円(1200万ドル)。いいなぁ……。ニコ動もこんだけ広告入るといいなぁ……。まぁいいんですけど、これすんごいよね。

テレビは確かに面白い、が……

ひろゆき テレビのコンテンツ自体が悪い訳じゃないってことだと思います。テレビはそれなりに面白いもの作ってるですけど、お茶の間まで来ないと見せないというモデルが問題。

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夏野 そうなんだよね。みんな暇じゃないから。忙しいから。家帰ってすぐテレビ付けたらケンカになるもん。

ひろゆき 例えば、午後9時にテレビドラマを見るためには会社を7時、8時台に出なきゃならないけど、今の時代7時8時に会社出られる人って基本的に、優秀じゃない社員じゃないですか。仕事する人ってそれなりにちゃんとやるから、だいたい9時ぐらいまでいるじゃないですか。

夏野 そうかなぁ、朝が遅いだけじゃねーの?

ひろゆき まぁ、そうすると、優秀じゃない人ばっかりが家帰ってテレビ見てると、そりゃあ、レクサスのCM打たねぇよ、という話じゃないですか。

夏野 意味ないよねぇ。レクサスねぇ。まぁプリウスにしておけば。

ひろゆき まぁ安い、軽自動車ならね。

 テレビコンテンツの魅力はちゃんとあって、見たいと思っている人はいるけれど、それを伝える手段は電波じゃなくてもいいんじゃね? という。

夏野 テレビは、番組、コンテンツとしてのテレビと、箱としてのテレビがあると思ってて。箱としてのテレビも、ネットにつなげて動画ダウンロードできたりするので、箱とか放送波としてのテレビって、あまり意味なくなってる。

 それなのに5時の番組は5時に、9時の番組は9時に見てほしいというのは、箱としてのテレビや波としての放送を意識し過ぎちゃっているのではないかなと。

ひろゆき まぁ免許の問題とか、あとは、そうやって時間を……

夏野 でもそれ、制作者関係ないじゃん。

ひろゆき NHKの制作者の人が「お茶の間で見てほしい」って話、してましたよね。それは不思議でならないですよね。いいものを作ってたら、多くの人に見てもらった方がいいわけじゃないですか。DVD化したりして。

夏野 (お茶の間で見ないと)なんか不都合があるのかな。

ひろゆき (どうやって見てもらってもいいとは)「言っちゃいけない」という社内的な事情があったりとかするんじゃ。

ネットを使う母と使わない父

夏野 全然話題を変えます。携帯のビジネスやってた時から、いまインターネット、ITの仕事をしていても、最近、ジェネレーションギャップを非常に感じる。世代によってインターネットのとらえ方が日本の場合違って、20代にとっては当たり前のことが、50代には宇宙語なんですよ。

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