MicrosoftがGoogleを恐れていることに議論の余地はない。Microsoftはやることなすことほとんどにおいて、Googleに対抗している。オンラインへの取り組みは特にそうだ。Googleがなかったら、MicrosoftはYahoo!との提携など考えもしなかっただろう。だが、提携は実現した。それは不安から生まれた。
だがGoogleもまた、Microsoftを恐れるべきなのだ。Microsoftはまだオンラインで足掛かりを得ようとしているところかもしれないが、巨大な企業だし、あきらめることはないだろう。それにこれまで、Microsoftは勝算が不確かなとき、それをうまく克服してきた。だから安心してほしい。Microsoftがただ単に転ぶようなことはないだろう。
GoogleがMicrosoftを恐れるべき理由を以下に挙げる。
Googleは素晴らしい株価が付いている大企業かもしれないが、MicrosoftもまだIT業界では巨大な存在だ。Microsoftは四半期ごとに数十億ドルの利益を得ている。業界全体で最も強力なソフトデベロッパーだ。投資したいものに投資できるだけの資金力もある。ビジネスの世界では、金があれば多くの問題を解決できる。Microsoftには金がある。
GoogleはChromeやAndroidなどのアプリケーションでソフトウェア分野に進出しようとしているが、まだ真に地歩を築いてはいない。ブラウザ市場では、今のところはまだInternet Explorer(IE)がChromeを引き離して一人勝ちの状態にある。Androidは勢いを増しつつはあるが、まだモバイル分野で自身を確立できていない。Chrome OSは未知数だ。Googleが始終見上げているのはMicrosoftなのだ。
Yahoo!と提携したからといって、Microsoftが検索エンジン市場を支配することはできないだろうが、同社がGoogleに近づくチャンスは大きくなる。この提携のおかげで、検索市場は間もなく、2つの検索サービスの対決の場になるかもしれない。広告主が注目するのは確実だ。検索におけるMicrosoftの立場が強まったら、GoogleはMicrosoftが強くなりすぎた場合の悪影響を考えるべきだ。
かつてのような尊敬は集めていないかもしれないが、Windowsは今もなお極めて重要なソフトだ。大多数のコンピュータに搭載されているし、企業向けOSのトップだ。ほとんどのユーザーは新しいものへの乗り替えに消極的だ。Chrome OSに多額の投資をしているGoogleは、それを自覚して気にしておくべきだ。どうすればChrome OSはWindowsに勝てるのか? どうすればGoogleは投資を回収できるのか? Windows 7に満足する人が増えるほど、GoogleとChrome OSにとっては分が悪くなる。
数年前なら、Microsoftは自社製品のユーザーを本当に理解しているとは言い難かっただろう。Microsoftが現状維持に甘んじていた間に、Googleなどほかの企業が新たに業界をリードしたようだ。今はもう違うと思う。今のMicrosoftはユーザーが望むものを理解しているようだ。それが何よりはっきり分かるのが、Windows 7とBingだ。もう、ユーザーを理解している企業はGoogleだけではないのだ。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
Special
PR