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Wikipedia運営団体、「ボランティア編集者激減」の報道に反論

» 2009年11月27日 15時31分 公開
[ITmedia]

 「Wikipediaのボランティア編集者が激減している」とする報道に対し、Wikipediaを運営するWikimedia Foundationがコメントを発表した。編集者の数は安定していると反論している。

 このコメントは、Wikipediaのボランティア編集者の減少が拡大していると報じたWall Street Journalの記事を受けてのもの。同紙が引用したスペインの研究者フェリペ・オルテガ氏の調査によると、英語版Wikipediaのボランティア編集者は2009年第1四半期に4万9000人減少した。これに対して前年の同じ時期は4900人の減少だった。

 しかしWikimedia Foundationは、同財団の統計では、ボランティア編集者の数は2年半前をピークに減少したが、その後は安定していると主張している。また読者数と記事数は増えているとも語っている。

 また同財団は、オルテガ氏の調査手法について幾つかの指摘をしている。同氏の調査では、1回でも投稿した人を編集者としてカウントしており、この方式だとWikipedia全体(すべての言語版)で300万人の編集者がいることになる。同財団は5回以上投稿した人を編集者と定義しており、編集者は全部で100万人弱になるという。

 さらにオルテガ氏の調査では、1カ月間の編集者数ではなく、ボランティア編集者がいつ投稿を始め、いつやめたか(ログアウト日を「最後の投稿」と定義)を測定している。Wikimedia Foundationは、この手法では長期的なトレンドを測定するのは難しいと指摘している。

 Wikimedia Foundationの統計では、英語版Wikipediaのアクティブ編集者(1カ月に5件以上投稿)は2007年3月に5万4510人とピークに達し、その後およそ25%減少し、この1年は4万人程度で推移している。この間にほかの言語版のWikipediaの多くでは編集者が増えており、「全体では、編集の数はここ数年、高いレベルで安定して推移している」という。

 しかし同財団は最後に、Wikipediaの内容を充実させるにはもっと多くの編集者が必要だとし、「今よりも大幅に編集者を増やしたい」と話している。

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