パンツの群れが空を飛ぶ――そんな光景をこの春、東京都内でみることができるかもしれない。玩具の企画・開発を行うクエスチョナーズが、ゴム動力で空を飛ぶパンツ型飛行機キット「空飛ぶパンツ」を開発。3月、空飛ぶパンツを飛ばして遊ぶイベント「空フェス」で先行販売する。
羽ばたくことで飛ぶオーニソプターをベースに、羽の部分がパンツ型になっている。簡単な作業で組み立てると、幅35センチ、長さ25センチの「空飛ぶパンツ」が完成。ゴムを巻いて空に放せば、パンツが羽ばたいて飛んでいく。ばさばさと羽ばたいて飛ぶさまはなめらかで、まるでパンツが生きているようだ。
キットには角材など、必要な部品一式が入っている。パンツの柄はしまと水玉で、色はそれぞれピンクと青。1つのキットに柄と色の違う2枚の羽が入っている。価格は1050円だ。
パンツがV字編成を組んだり、数を増やしたりしながら、群れをなして世界の空を飛ぶ――昨年、アニメ「そらのおとしもの」の異様なエンディングがネットで話題になったことが開発のきっかけだ。
エンディングについて書かれたネットニュースを読んだ同社の藤岡聡社長が「制作者は何を考えているんだw」と文字通り仰天。オーニソプターと組み合わせればすぐに作れると製品化を即断、その日のうちに工場に発注したという。
しかし、翌日には発注をストップした。「空飛ぶパンツ」をSF作家の野尻抱介さんが個人で制作し、飛ばしている動画を見つけたためだ。「同じことをしても仕方がない、後のりは格好悪い」と製品化をあきらめた。
先に出せなかったことが悔しい――そんな思いをブログにつづったところ、野尻さんから製品化への協力を申し出るコメントが付いた。藤岡社長も知人を通して野尻さんにアプローチをしている最中だったという。そこで野尻さんに監修を依頼し、空飛ぶパンツの製品化が正式に決まった。
作れるだけ作ってしまえと、まずは1000個制作した。「これくらいの費用ならなんとかなるだろう」と、面白さを優先して開発。原価計算はせず、売り先も決めていないという。「とんとん拍子に話が進んだ珍しい製品。面白そうだからやりますか、という流れで空フェスもすぐに決まった」
3月6日に開く「空フェス」は、入場券にキットが付いており、空飛ぶパンツを参加者全員で飛ばすというイベント。ニコニコ動画から誕生した「ニコニコ技術部」と「[NKH] ニコ生企画放送局」が、「作ってみた祭」と連動して主催する。
会場は東京・秋葉原にほど近い、旧中学校の校舎を改造した「3331 Arts Chiyoda」(千代田区外神田6−11−14)。体育館や屋上でパンツを飛ばせるほか、自作飛行機やラジコンの持ち込みもできる。野尻さん、TBSアナウンサーの鈴木順さん、メディアアーティストの八谷和彦さんが出演するトークセッションも開催する。
キット付きチケットは2月8日から2000円で販売。150人の参加が目標だ。「大人数でパンツを空に飛ばすなんて…めったに経験できることじゃありませんよw。行かなくて後悔するより、行って笑ってパンツを飛ばしましょう!」(サイトより)
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