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DNP、国内最大級の電子書店を今秋開設 ジュンク堂などと連携、5年後500億円に

» 2010年07月08日 16時24分 公開
[ITmedia]

 大日本印刷(DNP)と同社の書店持ち株会社・CHIグループは7月8日、約10万点のコンテンツをそろえた国内最大級の電子書店を今秋開設すると発表した。

 CHI子会社の図書館流通センターが運営するオンライン書店「bk1」や、傘下の丸善、ジュンク堂、文教堂とも連携。「リアルな書籍と電子出版コンテンツを提供する国内初となる最大級のハイブリッド型総合書店」を目指し、5年後に500億円の売り上げを見込む。

 新電子書店は約10万点のコンテンツをそろえ、PCやスマートフォン、電子書籍専用端末、多機能端末などあらゆる端末向けにコンテンツを販売する予定。bk1と連携して紙の書籍も取り扱い、ユーザーに選択肢を提供するとしている。

 書店運営の一方、電子出版の普及に向け、制作者向け支援も強化。紙の書籍から多様な端末向けの電子書籍に対応できる出版コンテンツのワンストップ制作体制を構築し、出版社の編集プロセスを含めたワークフローを提供。印刷をベースとした編集・制作工程から、電子書籍やプリントオンデマンドにも同時に対応できるハイブリッド工程への再編を支援するとしている。

 また出版社の電子書籍サービス拡大をサポート。コンテンツの保管・管理支援や、著作権管理・印税支払い業務支援、電子書籍サイトの構築・運用支援などのサービスで出版社をトータルにサポートしていく。

 制作したコンテンツは、新電子書店での販売に加え、DNPグループのモバイルブック・ジェーピーを通じてほかの電子書店にも流通させ、出版社の販売機会拡大をサポートする。今後開発する電子書店、書店、オンライン書店の連携サービスは、DNPグループ以外の書店への提供も検討する。

 DNPは丸善、図書館流通センター、ジュンク堂、文教堂グループホールディングスを傘下にし、DNPのデジタル技術と書店のノウハウを生かした新サービスの開発を目指していた。書店系では紀伊国屋書店が9月にiPhone/iPad向けから電子書籍販売を始める計画を発表しており、大手出版社が賛同している。凸版印刷やソニーなどによる新会社は年内のサービス開始を目指しており、秋以降、電子書籍の波が一気に進みそうだ。

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