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電子書籍に熱視線、紙の本の販促はアイデア勝負!? 「ハイパーマネキン」にAR東京国際ブックフェア

» 2010年07月09日 18時45分 公開
[宮本真希,ITmedia]

 iPadやKindleの登場で電子書籍が注目されるなか、書店に足を運び、本を手にとってもらうべく、販促ツールにも工夫が凝らされている。「東京国際ブックフェア」(11日まで、東京ビッグサイト)では、AR(拡張現実)と自動販売機を組み合わせたり、マネキン型のスクリーンを設置したりと、一風変わった販促ツールが展示されている。

電子書籍が盛り上がる横で……ハイパーマネキンって何だ

画像 Googleブースには人垣

 今年のブックフェアには過去最多の1000社が出展しており、電子書籍関連の展示が多い。電子書籍端末ゾーンが新設され、さまざまな企業のブースでiPadを使ったデモも見かけた。富士通の電子書籍端末「FLEPia」や「Googleブックス」など、すでに発表済みのも製品やサービスの紹介にも人が集まるなど、注目の高さがうかがえる。


画像 後ろのプロジェクターから映像を投影。ちょっと不気味

 電子書籍が盛り上がる一方で、紙の本を販促するためのアイデアにも工夫が凝らされ、注目を集めている。例えば東芝ブースの入り口には、若い女性の等身大パネルが立っていた。「なーんだただのパネルか」と通り過ぎそうになったのだが、よく見るとしゃべっている。なんじゃこりゃ!

 これは、書店向けシステムなどを手掛ける光和コンピューターが開発した「ハイパーマネキン」だ。等身大の人型にカットした透明アクリルパネルで、裏に白っぽい特殊なシートを貼っており、プロジェクターから映像を投影できる。しゃべる人の映像を投影すれば、人がそこにいてしゃべっているように見えるというわけだ。ちょっと不気味……。

 書店の店頭などで使う販促ツールとして開発され、東芝のブースでは東芝製品を紹介していた。記者以外にも思わず足を止め後ろ側をのぞきこんでいる人がおり、集客に役立っているようだった。

画像 黄色と緑色の本体が目を引く

 凸版印刷のブースでは、ARを活用した販促ツールを展示している。商品サンプルを配るための自動販売機の上に、液晶ディスプレイとカメラを取り付けた「サンプリン」だ。自販機で商品を手に入れ、商品パッケージに書かれたマーカーをカメラにかざすと、ディスプレイのカメラ映像に試供品の情報やアニメなどを合成する。

 デモでは、自販機にQRコードをかざすと、無料で女性誌の販促グッズを取り出せるようになっていた。パッケージにあるマーカーをカメラにかざすと、カメラ映像に女性誌の表紙や特集の紹介、発売日や価格が合成された。実際にサンプリンを設置しているイトーヨーカドーでは、お菓子のサンプルを配り、ディスプレイに製品情報を合成しているという。

 販促グッズだけではインパクトが薄いかもしれないが、ARなど一工夫を加えることで購買につなげる狙いだ。ブックフェアを通じ、書店での利用を提案していく。

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