大日本印刷(DNP)は、著名人や専門家が選んだ書籍を展示する「読書コミュニティスペース」を、東京・秋葉原近くのアートスペース「3331 Arts Chiyoda」に7月17日に開設する。今年の国民読書年に合わせた企画「本棚と私たち」の一環で、iPadなど電子書籍端末も設置。展示スペースと連動したWebサイト「本棚と私たち」も同日、正式オープンする。利用は無料。
展示スペースは、旧中学校の校舎を改装して作られた3331 Arts Chiyodaの一角で、80平方メートルほどの広さ。ミュージシャンの佐野元春さんや現代美術家の日比野克彦さんら著名人が選んだ書籍を並べた本棚、ネットやWeb関連の書籍を紹介するコーナー、丸善の店員が選んだ子ども向け書籍を紹介するコーナーなど、約300冊を集めた。佐野さんの本棚には、ビートルズのプロデューサーが書いた本など音楽関連のものが多く、ギターやレコードプレーヤーも置かれていた。
iPadや小型ネット端末「chumby」、DNPが開発した電子ペーパー端末の試作品も1台ずつ設置。chumbyでは米雑誌「TIME」の記事などを表示。iPadには「Kindle」や「ビューン」、京極夏彦さんの「死ねばいいのに」など、電子書籍関連のアプリ約30種類が入っており、来場者が手にとって触れる。
Webサイトでは、コミュニティー機能「タナコム」を提供。ユーザーが、「本とファッション」や「本のある風景」といった特定テーマで画像を投稿したり、“バーチャル本棚”に書籍を並べたりできる。バーチャル本棚で紹介された本を展示スペースに置くなど、ネットとリアルを連動させていく計画だ。
今回の取り組みを「これからの読書環境を考える第一歩にしたい」と、DNPの西村達也常務は話す。「文化活動の一環」としており、来場者数など具体的な目標を定めたり、ビジネス面との相乗効果を期待したりしていないとしている。
展示スペースは10月31日まで。オープン時間は、日〜木曜日が午後0時〜7時、金・土曜日が午後0時〜8時。Webサイトは年末まで公開する予定。
本棚をテーマにしたイベントを書店で開いたり、書店や図書館が少ない地域で読書に関連する活動を展開するなど、年末までに取り組みを広げていく計画だ。
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