三省堂書店は8月9日、海外の学術書や長期品切れの書籍などを店頭で印刷・製本して販売するサービス「三省堂書店オンデマンド」を、神保町本店(東京都千代田区)で今秋に始めると発表した。「電子書籍時代の書籍流通のあり方への新しい提案」としており、日本の書籍の海外流通にもつなげる。
店頭でメニューリストから書籍を選び、1冊から注文できる。10分ほどで印刷・製本し、その場で客に手渡すのが特徴。長期品切れの書籍や、洋書・大活字本などの流通量の少ない書籍を手に入れやすくする。
まずは、海外の学術書など100万点と、「Googleブックス」の洋書200万点をラインナップ。詳細は今後発表する。出版社と協力し、電子化済みの日本語書籍もリストに加える予定。客からのリクエストにも応える。
自費出版や、学校・図書館・企業で利用するテキストの製本にも対応。実施店舗も順次拡大するとしている。
オンデマンド印刷サービスはこれまでにもあったが、印刷所内の大型印刷機などで制作するものが主流で、印刷に時間がかかったり、最小ロットの注文数が多くなってしまうといった問題があった。
新サービスでは、オンデマンド出版サービスを手掛ける米On Demand Booksの製本機Espresso Book Machineを活用。書店の店頭で、「コーヒータイムほどの短い時間」で印刷・裁断し、その場で手渡しできるという。
On Demand Booksのサービスと連携することで、三省堂の新サービスを、海外にあるEspresso Book Machineでも利用できるようにする予定。「古今の日本語書籍を日本市場はもちろん海外市場にもより手軽に流通させたい」としており、国内の出版社の協力を広く求めていく。
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