米Oracleが米Sun Microsystemsを買収した時点から始まっていたとされる争いで、Oracleが米Googleを提訴した。Googleのモバイル端末向けプラットフォームAndroidでのJava利用が、Oracleの特許および著作権を侵害しているとしている。
実際、SunはAndroidを問題視していたが、訴訟は起こさなかった。Javaの新たな所有者であるOracleは違う。
Oracleは8月12日(現地時間)遅くに、GoogleがOracleの知的財産権を侵害したとする声明文を発表した。
Oracleの広報担当者、カレン・ティルマン氏は声明文で「Androidの開発で、Googleは意図的、直接的に繰り返しOracleのJava関連知的財産権を侵害した。この訴訟は、Googleの侵害に対する適切な賠償を求めるものだ」と語った。
Googleからのコメントは得られていない(訳注:このコラムは8月13日に執筆された)。
Javaの生みの親であるジェームズ・ゴスリング氏は、8月12日付のブログでこの件に関して以下のように書いている。
OracleがついにGoogleを提訴した。大して驚くことではない。SunとOracleが行った買収交渉で、われわれがSunとGoogleの特許状況について質問攻めに遭った時、Oracleの顧問弁護士の目が輝いていたのを見た。特許訴訟はSunの遺伝子情報には組み込まれていない。やれやれ。
わたしはこのごたごたに巻き込まれたくない。Oracleはこの訴訟で、わたしの特許は1つ(RE38,104)しか対象としていない。
北カリフォルニア地区連邦地裁にGoogleを提訴したOracleは、陪審裁判を請求している。Oracleは申し立ての中で、JavaはOracleがSunの買収で獲得した最も重要な技術の1つだと主張している。
Oracleはまた、Googleによるさらなる侵害を阻止するために複数の手段を講じることを裁判所に求めている。その手段には、GoogleのAndroid配布やAndroidに関する広告の中止、Oracleの知財を“意図的かつ計画的に”侵害したことに対してGoogleに3倍賠償を課すことなどが含まれる。
Oracleの申し立てには「Googleの直接的あるいは間接的な意図的著作権侵害の直接の結果として、Oracle Americaは事業、評判、営業権で経済的損失を被り、今後も被る」とある。
申し立てはさらに次のように続く。「Googleは、同意も承認もライセンスもなしに、意図的かつ非合法にOracle Americaの著作物および派生著作物をまねて製品を開発し、提供した」
Oracleの申し立てではまた、端末メーカーを含むAndroidユーザーは、Android端末を製造・利用するために著作権で保護されたJavaプラットフォームを取得し、利用しなければならないと主張している。だが、そうした利用はSunからのライセンスを受けておらず、「Googleは、ユーザーやメーカーがOracle Americaの著作物とその派生著作物を利用、複製、配布することを奨励、誘導、許可、補助することで、彼らの著作権侵害行為を誘発し、実質的に貢献した」という。
主要な争点は、GoogleがAndroidとともに提供しているDalvik仮想マシン(VM)だ。Oracleは、Dalvik VMがOracleの多くの――正確には7件の――特許を侵害していると主張している。実際、「GoogleがSunでJavaに携わっていた技術者を採用した」この10年間の半ばから、同社はこれらの特許を認識していたとOracleは申し立てで述べている。
Oracleによると、「Android(Dalvik VMとAndroid SDKを含む)およびAndroid搭載端末は、米国特許番号6,125,447、6,192,476、5,966,702、7,426,720、RE38,104、6,910,205、6,061,520の1つあるいは複数の請求項を侵害している」という。
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