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Kindle、NOOK、iPadが電子書籍市場からGoogleを締め出す?(1/2 ページ)

» 2010年08月18日 09時52分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 4月にAppleがiPadを発売し、最近Amazon.comのKindleとBarnes & NobleのNOOKがソフト・ハードをアップグレードしたことで、電子書籍リーダー市場の戦いは本格化している。3社それぞれが、書店から端末の機能までさまざまな側面で張り合う構えのようだ。

 もちろん、競争では犠牲者も出る。「電子書籍販売市場の専業メーカーは2社、おそらくは3社どまりだろう」とBarnes & Nobleのウィリアム・J・リンチCEOは6月にNew York Timesに語っていた。「これから淘汰が始まると思う」

 そう考えると、電子書籍市場からもうすぐ締め出されるかもしれない存在が3つある。それを以下に挙げる。

小規模な電子書籍リーダー企業

 Plastic Logicは8月10日に、ハイエンド電子書籍リーダー「QUE」の発売取りやめを発表した。同製品は元々は出張客などのモバイルワーカー向けで、さまざまな形式の文書をダウンロードして閲覧できる機能を備えていたが、リリース前にほかの製品に技術的に追い抜かれてしまった。Plastic Logic幹部は初め、QUEのコメント機能やテキストのハイライト機能、ファイル検索機能を宣伝していたが、Barnes & NobleとAmazonは最近のソフトアップデートで、自社のデバイスに同様の機能を加えた。

 それを考慮すると、Plastic LogicがQUEの高い価格を正当化するのは難しかった。QUEはWi-Fiと3Gに対応し、4Gバイト版が649ドル、8Gバイト版が799ドル。

 だがAmazonとBarnes & NobleはKindleNOOKの価格を引き下げており、間もなくほかの電子書籍リーダーも気づけば標的になっていたということになるかもしれない。

 「Barnes & NobleとAmazonの電子書籍リーダーは今や、部品コストとトントンの価格に設定されている」と調査会社iSuppliの調査ディレクター、ウィリアム・キッド氏は6月のKindleとNOOKの値下げ後に話していた。「ハードウェアの利益がゼロになった今、両社は電子書籍の販売で利益を得たい考えだ」

 だがAmazonもBarnes & Nobleも、自社のデジタル店舗を通じて多数の電子書籍や端末を販売するのに必要なブランド認知を作り出すのに、既存のインフラ――マーケティング資金は言うまでもなく――を活用できる。両社よりも小さな電子書籍メーカーにはそうしたリソースがなく、さらに利益率がゼロになるレベルにまで端末価格の値下げ圧力がかかっていることで、多くのメーカーは立ちゆかなくなるだろう。

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