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PS3好調でソニー上方修正 「PSP go」大幅値下げの狙いは

» 2010年11月01日 07時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ソニーは10月29日、2011年3月期通期の連結利益予想(米国会計基準)を上方修正し、営業利益が従来予想比11%増の2000億円になる見通しだと発表した。「プレイステーション 3」(PS3)やPC「VAIO」の販売が想定より好調だったことが主な要因。

 税引き前利益は18%増の2000億円、純利益は17%増の700億円に上方修正。ただ円高の影響で、売上高予想は3%減の7兆4000億円に下方修正している。

PS3好調 PSP go、大幅値下げの理由は

 「プレイステーション 3」(PS3)はハードのコストダウンが進んで3月に逆ざや状態を脱し、強力なソフト投入がハードの売り上げ増に貢献。ハードは7〜9月期に350万台(前年同期は320万台)、ソフトは3530万本(同2390万本)売り上げた。

 PSPは苦戦。7〜9月期の販売は150万台(前年同期は300万台)にとどまった。PSP売り上げ台数に占めるPSP goの割合は公開していないが、「現時点では想定より下回っている」(加藤優CFO)という。

 PSP goは10月26日に1万円値下げ。発売1年で思い切った値下げを行ったのは、「手に取っていただきたいというメッセージ」で、手ごろな価格にすることで普及台数を増やし、ソフト販売で「増収増益を期待している」という。製造コストの削減も進んでおり、1万円の値下げが「そのまま(業績に)インパクトをもたらすことはない」としている。

 PSP2やプレステ携帯のうわさが流れるなど次世代機の憶測も広がっている。PSPシリーズの今後の展開については、「ゲームプラットフォームは、今の世代を発売した時には次のものを考えている。さまざまな検討は行っているが、具体的なコメントは控えたい」と話すにとどめた。

3Dテレビは「期待より少し下」 Sony Internet TVは「好調」

 薄型テレビは「LEDバックライトモデルやデザインの良いモデルなど、商品力を高めた」ため、7〜9月期の販売台数は前年同期比50%増の490万台。だが価格下落に抗しきれず、営業損益は前年同期より50億円悪化し、160億円の損失となった。

 今期に目指していたテレビ事業の黒字化は「厳しくなった」が、最大の商戦期となる10〜12月期に向け、高付加価値商品などで巻き返しを図る。

 3Dテレビ販売の立ち上がりは「期待より少し下」。期初にはテレビの売り上げのうち10%を3Dにする目標を掲げていたが、それには届いていないようだ。「3Dは、どういうコンテンツがどう楽しめるかを見せる必要がある。まだまだできることはたくさんある」――コンテンツの充実やプロモーションの拡充などで、3Dの魅力を訴えていく方針だ。

 長期的には、「箱を売るだけで終わりではない」ビジネスに転換。米国で発売したインターネットテレビ「Sony Internet TV」も好調という。今後は、テレビやPS3などネットワークにつながった端末とコンテンツ配信サービスを連携させ、動画や音楽などコンテンツの販売につなげていく。

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