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SFでプログレッシブな「初音ミク」を語り尽くす難波弘之 対 野尻抱介(1/3 ページ)

» 2010年11月01日 19時29分 公開
[杜松百舌,ITmedia]

 日本を代表するロックキーボードプレーヤーにしてSF作家の難波弘之氏が最近、初音ミクに興味を持っているという話を、「ミク廃」(初音ミクのコアなファン)としても有名なSF作家、野尻抱介氏が聞きつけた。

 この2人のボカロ(VOCALOID)対談を見てみたい、とVOCALOID関連記事を多数執筆しているライターの四本淑三氏、VOCALOID聴き専ラジオのNezMozzこと杜松百舌(ねずもず)さんが画策し、「初音ミクとかVOCALOIDとかSFとか電子楽器とかロックとかについて難波さんに聞いてみよう」的な長い座談会がスタートした。ITmediaからは松尾が参加。

※難波氏は、松尾が編集長を務めていたMac専門誌MacUserで連載コラム「新連載に関する覚え書き」を執筆していた。

ミクとの遭遇――難波編

photo

松尾 今日話がどう転がるかちょっとまったく読めない。

野尻 いやー私も読めない。

(しーん)

四本 聴き専ラジオってご存じですか難波さん。

難波 はい?

四本 彼女がやってるストリーミングラジオがあって、VOCALOIDの曲ばっかり流す……。

杜松 じゃあもうまずそこの自己紹介させていただくと……私は特に曲も作らず絵も描かず、でもVOCALOIDが大好きなのでその単なるリスナーとしてVOCALOIDの曲を流すネットラジオをやっているんです。それがまあ、素人ラジオですけど1年続いて、そのご縁で野尻さんや四本さんともお話できる機会が持てまして。

※聴き専ラジオ:正式名称は「VOCALOID聴き専ラジオ」。毎週土曜日の夜11時あたりから始まる。詳しくは、四本氏が執筆したこの記事を。「ネットに「パーソナリティ」は必要か――聴き専ラジオの考え方

難波 なるほどなるほど。

杜松 今日の機会も最初は確か、野尻さんでしたっけ? 松尾さんでしたっけ?たまたまおしゃべりしてる時に「難波さんはVOCALOIDやらないのかなあ?」という話が出まして。

野尻 そうそう、四本さんと、ネット上でいーえるPの曲聞きながら語らってる時に「この人の正体は一体何者なんだ?」「難波弘之じゃないのか」とか言ってて。

いーえるP:プログレッシブロックの代表的バンドであるエマーソン・レイク&パーマー(ELP)を彷彿させるオリジナル曲で有名。さまざまなVOCALOID、ハモンド・オルガン、Moogシンセサイザー、MMDを操る。「【初音ミク・鏡音リン】 3人がバンドを結成したようです 【はちゅね】

四本 Skypeでしゃべってたんですよね、あれ楽しかった。

野尻 じゃあ難波さんだったら、1人介せばつながるからいっぺんセッティングしましょうかっていうことになって。

四本 全然情報なかったんですけど、絶対あの人ならやってるに違いない!って決めつけて。

杜松 そんな感じで今日のこの場が実現しております。

難波 (大笑)

杜松 実際、難波さんの「ミクとの遭遇」はいつだったんですか?

photo 難波さん

難波 見てはいたんですけども、あんまり熱心にはやってなかったんですよ。ちょうどあの企画を持ち込まれた頃と、たまたま今回のメールが来た頃と一緒だったんですよね。

野尻 そうそう難波さんのそのプロジェクト。ボカロがらみのプロジェクトの話を聞きたいのですよ。あのですね、私、いつでるか、いつでるかと。難波さんは何をしてるんだと。このボカロブームの中で。

難波 今ツアー中なので、データを作ったりしてるところなんです。やりますよ、ボカロ作家の方とのコラボレーション。

野尻 Pの方ですよね、どなたでしたっけ。

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